2期目の政策と評価


人口問題への対策

・国からの押しつけではなく自主的に仙台市との合併を実現。仙台圏を一体的に開発し、若者が夢を実現できる魅力ある「東北の都」へ成長。首都圏への人口流出に歯止めをかける「人口のダム機能」を強化。

・今後首都圏に集中することが予想される「年金マネー」を地方へ分散するため、中高年齢層が生涯活躍できる居場所「日本版CCRC」を形成し、シニア世代の名取移住を促進。

・就職氷河期世代を正規職員として積極的に採用。

・首都圏から名取に移住する若者を地域おこし協力隊として受け入れ支援。

○仙台市との合併構想について、令和5年9月議会で、推進する立場から一般質問を行いました。合併に後ろ向きな市長の答弁は、常に歯切れの悪い印象でした。政令指定都市になれること、人事ローテーションが活性化されること、宮城県による市町村広域化推進に新たな選択肢となることなど、合併する方が市民にとってメリットが大きいことが論理的に証明されたと捉えています。

○就職氷河期世代の正規採用について、令和2年2月議会で一般質問を行いました。行政側からは、実施の可能性について調査研究していきたいとの答弁がありましたが、実現には至っていません。

○地域おこし協力隊については、市長本人がそれに近い仕事を精力的に行っており、イメージづくりが先行して重用課題が先送りされている面は否定できないものの、本来の市長業務に支障が生じるほどの状況ではないため、推移を注視しています。


より良い統治の促進

・役所の業務は役所にしかできないことに特化。住民自治組織が地域課題を事業化し解決する「小規模多機能自治制度」へ段階的に移行し、「新・区長制度」は全面廃止へ。

・情報通信技術や人工知能、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)等を積極的に活用し、効率化・省力化により行政コストを削減。

・選挙の投票率向上のため、期日前投票所体制を拡充。

・学校の生徒会活動等において自治的活動をより効果的に展開し、組織の意思決定に主体的に取り組む態度を涵養。

○新・区長制度の運用に対する評価について、令和3年9月議会で一般質問を行いました。区長業務であった募金活動を町内会に依頼しても支障はないなど、区長制度を廃止しても問題ないことが明らかになりました。区長が必要か住民アンケートを実施する提案を市長は拒みました。区長制度は住民のためにあるのではなく、何か別のもののためにあるように感じさせられます。

○ICTの活用について、令和3年2月議会で一般質問を行いました。令和2年のRPAの実証実験では、競争入札参加資格申請受付業務で185時間、健康診査受診意向調査業務で793時間の削減効果がありました。令和4年度については1,434時間の業務時間が削減できました。より多くの業務でRPAの導入を可能とするために、宮城県に対し市町村共同利用型RPAの推進を要請したところ、宮城県電子自治体推進協議会において、令和4年3月からAI・RPA専門部会が発足され、本市も副部会長として参画しています。

○期日前投票所の増設について、令和4年の財務常任委員会の予算審議で質疑したところ、名取駅コミュニティプラザを想定して調査研究されているとの答弁がありました。引き続き、まずは1か所からでも増設されることを求めてまいります。

○市立学校における自治的活動の実践について、令和3年2月議会で一般質問を行いました。行政側からは、校則等の改正プロセスの明文化と、学校自治に関する条例について調査研究したいとの答弁がありました。その後、令和5年2月議会で研究の経過を確認したところ、令和4年度に全ての中学校・義務教育学校後期課程で、生徒の意見を反映した校則の見直しが行われたと答弁がありました。


環境の美化と保全

・ノーマイカーデーやアイドリングストップを推進するなど、温室効果ガスの削減に向けたさらなる取り組みの実施。

・プラスチックごみによる環境汚染を抑えるため、名取市環境美化促進条例を改正し、市民・行政・事業者等の責務を拡大。

・食品工場や給食センター、スーパーや家庭などから出る生ごみを電力に変える「メタン発酵ガス発電」、農業用水や上下水道をそのまま利用する「小水力発電」など、安全で環境にやさしい発電を促進。

・給食の地産地消とオーガニック化を推進することで、自然環境を保護するとともに、児童生徒の健康な心身を育成。

○平成30年12月議会で初めて環境フェスタについて一般質問を行い、令和3年10月に初めて開催が実現しました。また、令和3年12月議会の一般質問でノーマイカーデーなどについて提案したところ、令和5年9月から6年1月までの期間に月2回程度、市職員による「公共交通通勤チャレンジデー」が実施されることになりました。県内初の取組でもあることから、国土交通省により、名取市役所がエコ通勤優良事業所に認証されました。

○個人的に町内会区域や増田川、閖上海岸などにおけるボランティア清掃活動に参加していますが、市としてのプラスチックごみに対する制度づくりは実現できていません。

○学校給食のオーガニック化推進について、令和元年12月議会で一般質問を行いました。行政側からは、調査研究していきたいとの答弁がありました。また、民生教育常任委員会の令和5年度管外行政視察で、愛媛県今治市のオーガニック給食を調査しました。委員や教育委員会職員の間で、オーガニック給食の意義を共有しました。


伝統継承と文化振興

・名取市歴史民俗資料館で観光客向けに郷土芸能の実演を行えるよう、各保存会に協力を要請。観光資源としてPRするとともに、次世代の継承者が保存活動へ参加することを後押し。

・「お浜降り」をはじめとする伝統的な祭りを復活・継承。若者の定着・Uターンに結びつく、愛着ある「地元づくり」を推進。

・サイクルスポーツセンターが立地する強みを生かし、自転車イベントや自転車競技大会を誘致。

・名取市民合唱祭と連携し、中学校校内合唱コンクールの延長として市グランプリ大会を開催。合唱を通じて仲間との一体感を醸成するとともに、学校間交流を活性化。

○名取市歴史民俗資料館では、令和2年から毎年「資料館まつり」が開催され、屋外ステージで伝統芸能が披露されるようになりました。

○令和2年10月、サイクルスポーツセンターが復旧工事を経てグランドオープンしました。その後のコロナ禍により、オープン当初は宿泊者数が伸び悩みましたが、アフターコロナは増加傾向にあります。これからも、自転車イベントや競技大会の誘致を積極的に行ってまいりたいと思います。

○中学校校内合唱コンクールの延長としてのグランプリ大会について、令和4年9月議会の一般質問で教育委員会に協力を求めました。民間(名取市民合唱祭実行委員会)が開催し、各学校が自主的に参加する形を想定し、自己肯定感の向上、学校間交流、文化・芸術活動の推進などの効果が予想されることを説明しましたが、教育委員会からは、上位大会への参加となると本来の目的から外れてしまうことが懸念されると答弁がありました。教育委員会には、より柔軟な思考で子どもたちの成長を考えてほしいと思います。


持続可能な社会経済的発展

・新たな事業用地を確保し、東京からの本社機能移転など企業誘致の促進。

・後継者不足問題に直面する第一次産業従事者と新たな人材が共同で農林水産業を営む「名取型グリーンライフ」を創出。

・名取熊野三社を起点とし、秋保を経由して山寺(山形市)へ至る「熊野新道」構想をはじめ、熊野三社が立地する特徴を生かした観光地づくり。

・職業教育において、起業を目指す際に役立つ起業家育成プログラムを実施。学生の起業支援に向けた環境整備。

〇閖上東地区や飯野坂東部など、計画が決定または実行されている地域での企業誘致については、推進してまいります。

○六次産業化について令和5年、会派・名和会で先進自治体である熊本県八代市を視察し、海外への積極的な販路拡大などについて調査しました。一次産業従事者の年間生産額を見ると、本市が149万8千円であるのに対し、八代市は220万円と、かなりの差があります。本市の産業振興を促進するとともに、熊本県が八代市に設置した「フードバレーアグリビジネスセンター」と同等の機能を有する施設について、本市への設置を宮城県に求めてまいりたいと思います。


生活基盤整備と防災力強化

・高齢者の自動車事故対策と外出支援として「デマンド型乗合タクシー」を導入。

・雨水幹線や調整池など浸水対策の計画を前倒しで実施し、雨水排水機能を向上。

災害安否確認と避難要支援者救済機能を備えた「電子回覧板アプリ」の導入補助と利用促進

・小中学生を中心に市民協働で「橋のセルフメンテナンス」を実施。

〇令和元年6月議会で、高齢者の自動車事故対策と外出支援について一般質問を行い、路線バスと乗り合いタクシーを組み合わせた新たな公共交通体系の確立の着手を強く求めました。令和2年度に総合交通体系調査検討費が予算化され、アンケート調査などを行った結果、令和6年度にデマンド交通を導入することが方針として示されました。内容に課題が残されているため、今後も住民からの意見を丁寧に聴き取りながら、適切に運用されることを求めてまいります。

○令和2年9月議会で「田んぼダム」の導入について一般質問を行いました。また令和4年12月議会で、地元増田西地区の浸水対策について一般質問を行いました。小山雨水調整池と小山雨水幹線の設計費用が、令和5年度当初予算で措置されました。計画では、雨水調整池が令和10年度、雨水幹線が令和12年度の完成となっていますが、遅れることのないよう注視してまいります。

○令和4年6月議会で「電子回覧板アプリ」を町内会等で導入する際の補助制度について提案しました。市は住民の安否確認について町内会等に丸投げで、提案に対してはゼロ回答でした。そこで吉田が所属する八幡南町内会で、令和5年度定期総会の議決を経て「電子回覧板アプリ 結ネット」の導入を実現しました(6月29日付河北新報朝刊に記事が掲載されました)。防災訓練などを通して利用を促進し、市としての導入につながるよう目指してまいります。