令和4年第9回定例会(12月)


本会議

(議案第98号 指定管理者の指定期間の延長)

吉田

 新施設の開館に合わせて令和5年9月30日までの設定ということですが、昨今、物資の調達に支障を来している部分があるので、万が一新施設の開館が遅れるような事態は全く考えられないものではないと思うのです。そのあたりはどのように想定されているのでしょうか。


こども支援課長

 下増田公民館と合築する下増田児童センターについては、現在、順調に建設作業を進めており、令和5年7月末までには竣工し、8月、9月で引っ越し作業を行う予定です。引っ越しに長い期間を設けていますが、建設作業が若干遅れたとしても、10月1日の供用開始には十分対応可能だろうと考えております。


吉田

 2か月ぐらいの余裕ということでしょうが、予定日を前にして、もしかすると間に合わないかもしれないという事態が発生するかもしれません。期間について、令和5年9月30日ではなく、あと半年などと延ばすことはできなかったのですか。やはりどうしてもこの9月30日が一つの区切りになるのでしょうか。


こども支援課長

 市では、令和5年9月30日までは旧施設での活動を考えており、令和5年10月1日から改めて指定管理者の指定を行う予定です。今回の議案については、諸条件はあるかと思いますが、令和5年9月30日まで延長し、その期間で新施設への移行に十分できるという判断によるものです。


(議案第98号 指定管理者の指定期間の延長)

吉田

 今の御説明で、名取駅コミュニティプラザの今後の利活用の検討については、名取駅東地区にぎわい再生計画が策定された後ということですが、その策定作業の中で名取駅コミュニティプラザの活用に関して具体的な提案等は出ているのでしょうか。


都市計画課長

 駅の中にある施設ということで既存施設の活用も何か取り入れたいと考えていますが、具体的なものはまだありません。


吉田

 あれだけの施設なので、もっと活用してもらいたいという気持ちは大変賛同できます。計画を策定してから新たな利活用を検討するという流れのようですが、誰が、どこが主体となってその検討を進めていくのでしょうか。


都市計画課長

 まず、名取駅東地区にぎわい再生計画については、ワークショップ等を開催して市民のいろいろな意見をいただいた上で、市で設けた策定委員会で決定します。ただ、策定作業の中では、名取駅コミュニティプラザを具体にどのようにしていくか、はっきりした内容は出せないと思っており、活用の方向性について名取駅東地区にぎわい再生計画の中に取り入れたいと考えております。


吉田

 議案資料1ページに、令和4年11月15日に開催した名取市サイクルスポーツセンター指定管理者選定委員会の審査委員について分野別の人数が示されています。学識経験者3名と市職員2名の内訳について、そして、市民1名とありますが、定数として1名なのかどうか、またどのような方法で市民の委員を選んだのか、お伺いいたします。


(議案第101号 指定管理者の指定)

政策企画課長

 指定管理者選定委員会の審査委員については、まず学識経験者として尚絅学院大学の先生、七十七銀行の支店長、株式会社仙台ニコンの方です。市民の委員については1名で、公募ではなく、行政改革推進会議の委員の方にお願いしています。それから、市職員として我妻副市長と企画部長です。


吉田

 市民の委員は行政改革推進委員の方ということで、従来そのような形で行ってきたのかと思います。行政改革についていろいろと意見を持っている方だと思いますが、こういった方々から今回の指定管理者候補者について具体的に要望や提案等が出されていたら、主なもので結構ですのでお示しいただきたいと思います。


政策企画課長

 指定管理者選定委員会において、事業者からの提案内容に対する質疑は各種出されましたが、回答を受けた後、要望等は特に出ていなかったと記憶しております。


一般質問

吉田

 10番吉田 良です。ただいま議長から発言のお許しがありましたので、事前の通告に従い、一般質問を行います。
 初めに大項目1 デジタル地域通貨の導入についてお伺いします。
 私がデジタル地域通貨に興味を持ったきっかけは、個人的に岐阜県高山市を訪れた際、さるぼぼコインの存在を知ったことでした。また、令和4年10月に会派で視察した際、新潟県佐渡市にだっちゃコインというデジタル地域通貨があることを知りました。改めて調べてみますと、全国で様々なデジタル地域通貨が発行、運用されており、その中には残念ながら中断、停止されたものも多くあることが分かりました。
 そもそも地域通貨とは何でしょうか。それは、新たな社会的・経済的交流を生み出し地域を活性化させる目的で、独自の基準で地縁団体や組織等で発行、使用される通貨であるとされます。日本では1990年代後半から2000年代前半にかけて地域通貨ブームが起こりました。代表的な例として、東京都の早稲田・高田馬場地域で生まれたアトム通貨、国分寺市で開始されたぶんじ、また、神奈川県相模原市旧藤野町の通帳型地域通貨であるよろづ屋などがあります。当時の地域通貨は、利用が目標に達しなかったり、想定以上に管理コストがかさむなどの理由により、その多くが発行停止となりました。
 時代が移り、デジタル技術の開発と端末の普及が進んだことで、スマートフォン決済などを活用することが可能となり、コスト面の課題が解消できるようになりました。デジタル地域通貨の先駆けとも言えるのが、先ほど申し上げましたさるぼぼコイン、2017年に飛騨信用金庫が発行を開始したものであります。こちらについては2021年8月末の時点で、利用者数は約2万2,000人、加盟店数は約1,600店舗、累計決済額は約42億円に達するということです。地域では、さるぼぼコインでしか購入できない物品やサービスなどがあり、そうしたものを求めて訪れる観光客、旅行者が増えているそうです。
 翻って宮城県内の事例について調べた範囲ですと、塩竈市が2019年度に竈コインの実証実験を行っております。しかし、本格導入には至らず、残念ながら現在は続いておりません。また気仙沼市が令和4年3月に、給付金をデジタル通貨(仮称)DCJPYで支給する想定の実証実験を実施しました。また、栗原市では、現在、スマートフォンアプリを使った地域通貨事業の準備を進めているということです。
 さて、本市ホームページの「DX推進室ではこんなことをしています」というページには、デジタル地域通貨の文字が記載をされています。まずは本市の取組の現状について確認したいと思います。
 小項目1 デジタル地域通貨を導入することについて、検討の経緯や内容を市長に伺います。


市長

 デジタル地域通貨の導入については、決定までには至っておりませんが、地域向けDX推進ロードマップを検討する中で、市民の利便性や地域産業の生産性の向上、社会課題の解決、新たな価値の創造を実現するための施策の一つとして検討しているところです。
 検討内容としては、いわゆるプレミアム商品券の発行や市の施策推進のためのインセンティブとしてのポイント付与、交流人口を増やすためのプレミアム観光券の付与など、現時点では、幅広に対象を捉えて研究しているところであります。


吉田

 今いろいろな可能性について示されましたが、そもそもこのデジタル地域通貨を検討し始めたきっかけはどこにあったのでしょうか。


DX推進室長

 検討の経緯ですが、第六次長期総合計画等々で、いろいろな人を施策の中に取り込むためには、インセンティブが付与できるデジタル地域通貨がよいのではないかということで検討しています。


吉田

 いろいろな場面で申し上げているのですが、施策には目的と手段とあって、インセンティブ付与は、目的ではなく、一つの手段と捉えるべきと思います。デジタル地域通貨も、それを実施することが目的になるのではなく、何か課題があって、その課題を解決するための手段がいろいろある中で、最もこの手段が望ましいものだ、あるいは、これが強く効果がありそうだというときにデジタル地域通貨を導入していくべきだと思うのですが、今お話しのプレミアムなどのインセンティブということになると、デジタル地域通貨ではなくても現状で行っていてできているわけですが、なぜそれをデジタル通貨を導入することにつながってきたのか。もう少し強いその結びつきの部分について御説明いただきたいのですが、いかがでしょうか。


市長

 一番には、第六次長期総合計画の基本理念の中に「時代の変化に対応した持続可能なまちづくり」というものがあります。その中の一つにDXの推進という流れがある中で、新たなにぎわい、交流、新たな価値の創造の施策の一つとしてデジタル地域通貨を検討しているということです。


吉田

 検討ということで、もちろんそれも分かっています。これから具体的なことはより一層研究していかなければいけないと思うのですが、やはり第六次長期総合計画があって、いろいろなスローガンがあることは分かります。それは分かるのですが、今のような進め方だと、どちらかというと私はデジタル地域通貨の導入が目的化してしまっているのではないかという気がするのです。これは本市だけではなく、国もそうですし、いろいろな自治体で今起きていることですが、何か目立つようなことをぼんと行って話題になることに力が置かれてしまっているのではないかと。それでは結局、花火だけ打ち上げて後は消えてしまうと。そうして消えていった地域通貨はたくさんあるのです。やはり最初にしっかり課題はどこにあるのか、その課題のためにデジタル地域通貨の導入がどのぐらい効果があるのか、そこから考えていただかなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。


市長

 まさに議員おっしゃるとおりだと思います。地域向けDX推進のロードマップを今つくっていこうとしている中で、その施策の一つ、可能性の一つとしてデジタル地域通貨も検討しているわけでありまして、そのためにはまず施策の目的、具体的な課題、その解決方法、目指すところをよく整理をしながら検討していきたいと思っています。


吉田

 市のホームページの「DX推進室ではこんなことをしています」のところに「デジタル技術を活用した地域の諸課題解決および新たな地域活力の創出に向け」と書かれています。これは、やりようによっては物すごい効果を生んでくるものだと思います。
 今市長からも御答弁ありましたが、本当におっしゃるように目的と手段とを取り違えないでいただきたいのです。あくまでもデジタル地域通貨は課題を解決するための有効な手段ということで、その目的はどこにあるのか。それは、地域の声をよく聞いて、そして現状をしっかり分析していかなければ見えてこないと思います。もちろん見えてきていて、それも第六次長期総合計画の中にも書かれてはいるのですが、そこをしっかり結びつけていっていただきたいとお願いをします。
 それでは次に進みます。導入する場合の利点と課題についてです。
 小項目2 デジタル地域通貨を導入することによる利点と課題をどのように捉えているのか、市長に伺います。


市長

 デジタルに限らず、地域通貨の導入により、地域内での経済循環の活性化や市の施策の推進が期待されるところです。
 また、デジタル化により、地域通貨の発行から事業者の換金までにかかる事務量とコストの削減につながる上、実施までにかかる期間の短縮も可能となります。加えて、匿名処理したデータを活用することで、今後の政策立案等に活用できることも利点として考えられます。
 一方、課題としては、普及促進や利用できる店舗・サービスの充実、デジタルディバイドの解消またはその補完対策、既存のキャッシュレス決済との差別化に加え、どれだけ認知度を上げることができるかということだと捉えています。


吉田

 まずその利点の部分ですが、今、経済循環やコスト削減、あるいはもっと広くデータを入手できるということなどもあって、全部もっともなのですが、もう少し丁寧に分類していただかなければいけないと思うのです。先ほど施策推進ともおっしゃっていましたが、施策を推進するには、どういう施策に対してデジタル通貨を使っていくのか、有効活用していくのか。施策推進の部分以外の事務量、コスト削減やデータを入手できるということは確かに利点ではあります。利点ではありますが、施策を推進していくというところでは、どういう施策を推進していこうとしているのか、それが根っこになければいけないと思うのです。そこはどのようにお考えなのでしょうか。


生活経済部長

 地域通貨という観点でお答えします。
 デジタルに限らず、先ほど吉田議員から紹介がありましたアトム通貨は早稲田・高田馬場地域で成功している事例でして、商店街や学生、公共機関等が手を取り合って枠を超えた人との交流ができるということ、当然のことながら地域循環型の経済が達成できるということがありました。私は、このアトム通貨については成功した事例ということでお話を聞く機会がありました。なぜ成功しているかをしっかりと把握し、DX推進室とも連携し、情報を共有しながら、そのことをきちんと整理して進めていきたいと考えています。


吉田

 ただいま部長からとてもいい話を伺いました。そういう形で成功事例の生の声を聞いてきて、それを施策に反映させていくというのはとても大事なことで、その原点にあるのは地域の課題を解決していくということ。では、何が課題なのか。アトム通貨がどういう背景でできて、どういう地域課題を解消できたのかも含めて恐らく調査をされてきたと思います。
 本市に限らず、地域課題は様々多岐にわたっていて、このまちにも様々な分野ごとに、もっとこうなったらいいな、ここが足りないなというところがあります。また、いいところはもっと伸ばしていきたいということだと思うのですが、デジタル通貨を活用していく上で地域課題のどこに焦点を絞っていくのかは非常に重要な選択肢だと思います。というのも、デジタル通貨は、その方向性がある程度決まってくるので、一度始めたら急激に転換していくことはできなくなってしまいます。だから最初に課題をどう解決していきたいのかを見据えることが重要です。仮に、デジタル地域通貨を実施したことで必ず全てが解決しなくてもいいと思うのです。一つでも二つでも先に進んでいく、そして検証していく、検証で得たデータから今度はまた別な手段を用いていく。目的がしっかり設定されていれば、そこに対しての手段をいろいろと考えていくことができる。そのうちの一つとしてこのデジタル地域通貨があると思います。大変可能性が広がっていくものであると思いますので、そこは本当に有効に最大限発揮できるように、よく検討していただきたいと思います。
 次の質問に移ります。今度は具体的な方向性の提案です。
 代表的なデジタル地域通貨を比較しますと、地域課題の設定は、地域経済の活性化と地域活動の活性化の大きく2つに分けられるように感じられます。そして、地域経済の活性化については、さらに、域外からの所得の流入と域内の消費喚起の2つに分けられる。そしてこの3つの要素から1つを選ぶのではなく、どれに重点を置いていくかということになってくると思います。その他の要素とのバランスをどうするか、これが方向性として非常に肝腎な部分ではないかと思います。
 本市の実情や将来を総合的に捉えたとき、本市においては、地域通貨の運営は地域活動面のほうに重点を置くことが妥当ではないかと私は感じています。なぜなら、本市は他の自治体と比べても公民館を中心とする地域コミュニティー活動が非常に盛んで、生涯学習や世代間交流といった課題に住民全体が非常に強い関心を持っている傾向があるからです。こうした地域活動面に重点を置いたデジタル地域通貨の例としては、地域活動などに参加することで通貨を獲得する、そして、市内の加盟店での買物や飲食、そして市税や公共料金の支払いなどに充てられる仕組みがあります。加盟店は一定の手数料を負担して現金に換金したり、あるいは加盟店がそのまま市税等を支払うという使い方なども可能性としてはあろうかと思います。
 そこで参考となるのが、埼玉県深谷市のネギー通貨、神奈川県鎌倉市のSDGsつながりポイント事業、また、現在試行運用中の東京都三鷹市の(仮称)ボランティアポイント・地域通貨です。
 では、小項目3 ボランティアや地域活動などのコミュニティー活動への参加促進に重点を置いたデジタル地域通貨制度を導入すべきと考えますが、市長の御見解を伺います。


市長

 導入に当たっては、議員御提案のコミュニティー活動への参加促進への適用といったことも非常に大切な視点だろうと思っております。御紹介いただいた先進事例なども含めて、十二分に検討してまいりたいと思います。
 一方で、少しスパンを取って、例えば前期と後期というようなことで段階的に導入していくというようなこともロードマップ作成の中で考えておりまして、そういう意味では、導入当初は、導入施策推進のためのインセンティブの付与から始めるといったことも含めて、今、検討しているところです。


吉田

 デジタル地域通貨は、仕組みをどう構築していくか無限大に組合せがあり、サービスを提供している事業者もたくさんいて、それぞれに特色があり、1つを選んでいくのは大変な作業だと思うのですが、目的をしっかり定めることが一番だと思いますので、そこを間違えないでほしいと思います。
 それで、今市長から段階的にということもありましたが、本市の第六次長期総合計画を見ますと、域外からの所得流入や域内の消費喚起という金銭に関する記述はあまり多く見られないのですが、一方でコミュニティー活動については、主要課題、基本構想、分野目標など全てに記載があります。デジタル地域通貨導入によって課題の解決がどのぐらい進むのかということを検討の具体の中に入れていくということも一つの進め方ではないかと思うのですが、そのあたりはいかがお考えでしょうか。


市長

 第六次長期総合計画は、いろいろ皆さんにもお諮りしながらつくり上げてきたものでして、やはり人を大切にする、特に本市は市民活動、地域活動は非常に盛んな地域だと思っています。人は宝、人のつながりは、非常に名取のすばらしい魅力の一つだと思っていますので、そうしたものをこのDXにどう活用していくかという視点もしっかり含めながら検討してまいりたいと思っています。


吉田

 実際に運用していくに当たって肝腎なのは加盟店、どのぐらいの市内の事業所の方がその通貨を使って買物、飲食などできるように協力してくれるかという部分にあると思うのですが、そのあたりの商工会などを中心とした事業者に対する聞き取りなどの現状についてはいかがでしょうか。


生活経済部長

 商工会ということもありますので、私のほうからお答えします。
 この件に関しては、先日、DX推進室と商工観光課、私も入って打合せをさせていただきました。その際、商工会に、このことについて御理解をいただき、合意をいただき、より多くの事業者に参画をいただくことが必要だというお話をしました。しかし、商工会の具体的な意向がまだ見えていません。先ほど議員からお話がありましたように、地域内の循環をしっかりさせていくことによって市内の事業者が一定程度潤うということもありますし、そのほか、例えば学びパスポートなどの部分もうまく取り入れられるような形が望ましいのではないかということも含め、私どもも一緒に入りながら、商工会としっかりと意見交換を進めていきたいと考えています。


吉田

 やはり地域全体がよくなっていくということになれば、商売をやっている方々もそこから得られるものがまた膨らんでいくわけですので、そういう大きなビジョンを示していただきたいと思います。
 ここで、先ほど申し上げました本格導入に至らなかった竈コインなどについても、地域経済面のほうに傾き過ぎていたということではないかと私は分析しています。一昨日の読売新聞にも記事があったのですが、あらゆる地域通貨がある中で、今どちらかというと地域活動、その中で人と人とがつながって、ファンを増やしていく、そういう形で事業者が乗ってくるという事例が増えているようです。確かにインバウンド拡大も大事な本市のテーマではあるのですが、今後、地域に住んでいる一人一人の住民がデジタル通貨に参加することによって、もっとこのまちが活性化していくということを目標としてもらいたいのです。この地域通貨を地域活動と結びつけていくことで、今深刻な担い手不足と言われている地域活動の担い手を巻き込んでいく、増やしていくことにつながっていくことが期待できると思います。
 繰り返しになりますが、まず、今何が課題なのか、何を目的とするのかということを見極めることと、そしてその解消のためにデジタル地域通貨を導入することが有効であるという説明がしっかりできるように、大いに検討していただきたいと思います。
 それでは次の質問に移ります。大項目2 小山雨水調整池の整備についてです。
 私が住む増田西地区では、大雨による道路の冠水が度々発生し、避難所への避難もままならない状況の発生が続いています。地域住民からは、名取中央高架橋が設置されたことで、以前より状況が悪化しているという声も届けられています。
 本市は、館腰承水路の流下能力を超えるために起きる館腰承水路北側の浸水対策として、小山雨水幹線と小山調整池を新設し、流出抑制を図るとしています。これらの施設を含む館腰承水路付近の浸水対策について、先般、地元区長を対象に説明会が開催されたという情報も耳にしていますが、広く市民の知るところまではまだ至っていません。改めてこのたびの一般質問で詳細を伺っていきたいと思います。
 初めに小項目1 館腰承水路付近の浸水対策全体の進捗状況と今後のスケジュールについて、市長にお伺いいたします。


市長

 館腰承水路付近の浸水対策につきましては、小山雨水幹線と小山雨水調整池の整備、館腰承水路の通水能力の向上、箱塚遊水池の整備、さらに短期浸水対策として、承水路の逆流防止装置の整備、JR東北本線の横断管渠の新設・改良を予定しております。
 浸水対策の進捗状況及び今後のスケジュールにつきましては、令和4年度より承水路の通水能力の向上と逆流防止対策工事を進めており、令和5年度にこれら対策工事を完了するとともに、小山雨水幹線と小山雨水調整池の測量設計に着手し、調整池の完了後に箱塚遊水池の工事に着手してまいります。
 また、JR東北本線の横断管渠につきましては、令和5年度より設計を進め、令和7年度の工事着手を予定しております。
 なお、これらの浸水対策事業の全体としては、令和14年度の完了を目指しております。


吉田

 先日、令和5年度の実施計画が示されましたので、その中にも随分と盛り込まれていましたが、まず、令和5年度以降、順調に予算が措置される見込みがついたということでよろしいですか。


市長

 実施計画に入れている分については、そのように考えております。
 その後のことについても、小山から館腰地区全体の冠水対策をどうしていくのかという非常に大きなテーマになります。最終的には川内沢川の中流域の拡幅にもつながってくることですので、そうした非常に大きな事業であり、時間もかかる事業ですけれども、完遂に向けてしっかりと前に進めていきたいと考えています。


吉田

 これも非常に広い区域、そして全体の浸水対策ということで、どこからどういう順序で進めていくのか。全部一気にはできないので、時間的な優先順位をどうしてもつけざるを得ないと思うのですが、これも地域の住民の方に理解してもらうには難しい面もあります。そのあたり市としてはどういう基準を設けているのか、改めて御説明をお聞きしたいと思います。


市長

 この雨水排水の関係でいいますと、これまでは増田の8−1号幹線、消防署付近の地下貯留槽のところに時間とお金をかけてきました。それらがようやく見えてきたということで、その次は小山から館腰地区ということで進めてまいります。そういう意味で、まず館腰承水路の逆流防止弁のところと飯野坂地区の平滑化、いわゆる流れをよくするといったようなところをまず優先してやっていきたいと。その後、第一中学校のサブグラウンドのところの地下貯留槽、その後、箱塚遊水池の整備というところで、まずその北側の部分から進めていくと同時に、またJRの横断管渠も着手していくと考えています。


吉田

 今市長からも具体的に第一中学校の南側の調整池のお話が出ましたので、そこに絞ってお話を伺いたいと思います。
 小項目2 第一中学校南側に整備が予定されている小山雨水調整池について、施設概要と完成までのスケジュールを市長にお伺いします。


市長

 小山雨水調整池は、雨水を一時的に貯留することで館腰承水路への流出抑制を図る施設であり、現時点では貯留量7,500立方メートルを見込んでおります。
 今後詳細な検討を行い、調整池の構造等を決定してまいります。
 完成までのスケジュールにつきましては、令和5年度に測量と基本設計、令和6年度に詳細設計、令和7年度に工事着手を目指しており、調整池と併せて調整池に雨水を導入する小山雨水幹線の工事を進め、令和12年度の工事完成を目指してまいります。


吉田

 小山雨水幹線も含めて令和12年度の完成を目指すということですね。分かりました。
 平成30年4月23日の議員協議会においてその雨水幹線についても説明があって、調整池については7,500立方メートルということでしたが、雨水幹線の詳細について、距離は325メートルと示されていますが、実際にその距離の区間中にどのぐらいの支線、枝線が合流するのかや、処理できる排水量は単位時間当たりどのぐらいかなどの見込みを伺います。


下水道課長

 小山雨水幹線については、先ほど議員がおっしゃられたとおり、延長325メートル、口径に関しては1,000ミリから1,350ミリを計画しています。まだ概略設計なので、具体的に幾らの枝線からどういう形でそこに排水するのかまでは捉えていないところです。


吉田

 これがしっかり整備をされれば、大分周辺の浸水対策には有効かと想像してはいるのですが、実際やってみなければ分からないのかなという部分もある。というのも、これは名取中央高架橋よりも南側ということで、むしろそれより北側の大手町のよく道路が冠水するような地区についてはどのぐらい影響があるのか今見えません。現在の手倉田くじら保育園の周辺の道路、また、もう少し南側のなとり整形外科クリニックの周辺、そして県道258号仙台館腰線も幾つかの地点でよく冠水が起こりやすいという状況があります。こうしたところは、この雨水幹線と調整池の設置によってどのぐらい改善が見込まれるのか、お伺いします。


下水道課長

 小山雨水幹線に関しては、館腰承水路の流域になっています。今議員がおっしゃられた北側に関しては、増田川の流域になっています。今回、雨水対策基本計画の中では、小山地区は承水路の対策ということで、まずは御理解いただきたいと思います。
 大手町に関しては、雨水対策基本計画の中では承水路の工事、側溝などの勾配が取れていないので、そういった工事を予定しているところです。


吉田

 今の工事のお話は今まで聞いた記憶がないのですが、館腰承水路周辺の整備では、大手町地域の道路冠水の改善につながらないということですか。


下水道課長

 小山雨水幹線、小山雨水調整池に関しては、先ほど申し上げましたとおり、流域的に館腰承水路のほうに入ってくる流域となっています。大手町に関しては、先ほど申し上げましたとおり別な流域になるので、対策的としては管路の整備といった対策にはなろうかと思います。


吉田

 結局、増田川の水位が上がってしまうと、低い地域の水は流れる場所がないので、その水を小山調整池に流してやるために今回整備するのかなと思ったのですが、325メートルは到底そこまで行き着かないということで、支線、枝線をどうつなげるかで少し改善できる部分はあろうかと思うのですが、その325メートルをもう少し北まで延ばすということは、何か弊害ができない限り、やっていただくことはできないものでしょうか。


下水道課長

 あくまでも流域の中での考えということで、この325メートルという計画をしておりました。流域を変えるということであれば、さらなる検討が必要かと思います。


市長

 飯野坂、小山、それから議員御指摘の大手町、美田園も含めて、それぞれの地区の冠水問題や対策の必要性は理解しています。今回の小山地区の部分については、直接的には大手町には関係ないということですが、それぞれの地区で冠水をどう抑えていくかについては、問題意識を持ちながら、また年次計画も立てながら取り組んでいきますので、その点については御理解いただきたいと思います。


吉田

 もちろん、しっかりその理由が説明されれば納得できると思うのですが、やはり長年の懸案ということもあって、一体いつになったら着手してくれるのかという各地域の市に対する強い要望も、より受け止めていただければと思います。 流域の話が先ほど出ました。館腰承水路の流域と増田川の流域はどこかで恐らく線引きがされていると思うのですが、県道仙台館腰線よりもより西側の地域については、今回の承水路の整備でどこまで改善されるのか。諏訪地域などを含めて、現在見込みとして捉えていればお伺いします。


下水道課長

 今回の小山雨水調整池に関しては、大手町三丁目の一部、小山二丁目、小山一丁目、小山三丁目の流域が対象となっています。


吉田

 今回含まれていない地域については、また別な形で対策を進められると理解しました。
 では、次に進みたいと思います。小項目3 整備による効果を住民に説明する機会を設けるとともに、少しでも早い完成を目指すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。


市長

 小山調整池の計画概要につきましては、市のホームページにおいて広くお知らせをしているところであり、今後も各工事の着手時などにおいて適宜説明会を開催し、整備効果等についても住民の皆様にお知らせするよう努めてまいります。
 また、事業につきましては、少しでも早い完成が図られるよう、鋭意取り組んでまいります。


吉田

 やはりどこまで改善されるかと非常に期待が大きい部分もありますので、落差ができないように丁寧に説明を続けていただければと思います。
 それでは次に移ります。最後の質問事項、大項目3 市長による模造銃所持画像のSNS投稿についてです。
 誰にでも過ちはあると思います。もちろん私も、これまでの人生、過ちを犯してまいりました。その中にはSNSの発信における過ちもありました。一つも過ちを犯したことない人間は、多分ほとんどいないのではないかと。そういう意味では、人命に関わるなどの取り返しのつかない過ちは別として、過ちを犯したときは、それを過ちと認め、反省し、そして相応の償いをすれば、許されるべきであると思います。
 ただ、この問題についてはもう少し考えるところがありまして、再発防止もそうですが、内容も内容で問題ではあるのですが、捉え方というところで、市長により考えていただきたいと思いまして、多少厳しい質問をすることになるかもしれません。また、こういう質問をする以上は、私自身も今後の振る舞いには十分気をつけていかなければいけないという自覚もありますので、どうか市長御自身、本市の未来のために、心を鬼にして進めていきたいと思います。
 初めに、小項目1 令和4年11月22日付河北新報朝刊に、ふるさと名取秋まつりにおける自衛隊の展示場所で、市長が模造銃を構える写真をSNSに投稿した事実が掲載されました。撮影から投稿に至る経緯、その後の対応の詳細を市長に伺います。


市長

 私のSNSへの投稿は、イベントや個人的な出来事などを掲載しておりますが、先般行われた秋まつりの様子をSNSに掲載し、盛況に行われたことを周知したところです。
 その内容については、全体の様子やキャラクター、展示物について掲載をしております。
 働く車のコーナーにおいて撮影した、模造銃を構えた姿の写真を掲載しましたが、不快な思いをされた方がおられるということで削除したところであります。


吉田

 事実関係ですが、働く車のコーナーという位置づけで本当に間違いないのでしょうか。


生活経済部長

 働く車のコーナーではなく、基本的には、自衛隊員の募集を行う一環として、そういった形の車両の展示を行っていたと捉えています。


吉田

 ということは、今の市長の答弁は誤りだったということになりますので、こういうことも含めて、やはり問題に対しての真摯な態度がきちんと取れているのかどうかということが非常に疑問です。言葉で何かを言って、取り繕って、それで忘れられるのを待つみたいなことになられては困ります。きちんと根の深いところで反省していただかなければいけないと思います。
 もう一つ確認したいのは、この撮影がされたのは、公務中の出来事という認識で間違いないのでしょうか。


市長

 非常に難しい色分けになると思います。開会式の前だったと思うのですが、開会式そのものは当然公務になると思いますが、いずれ開会式に出席するために出ていた秋まつりでの出来事ですので、非常に公務の色合いが強いということになろうかと思います。


吉田

 はっきり公務ですと言ったほうがいいと思います。もし、その場でけがをしたりした際、開会式の前でも公務災害になりますよね。そういう意味からも公務だとはっきり区別をしたほうがいいと思うのですが、改めてお伺いいたします。


市長

 今確認しましたところ、公務災害になるということですので、訂正させていただいて、公務中となります。


吉田

 やはり公務中のそのような出来事というのは大変残念だと思います。これは市民一同、全ての人が同じように捉えられると思います。
 こういう問題を起こさないためにはどういうことができたのかと。2つ分岐があったと思います。まず、その銃を持った写真を撮るか、撮らないかの判断の分岐。そして、それを撮ったとしても、SNSに公開するか、しないかという判断の分岐。この2つの分岐、市長は間違った分岐のほうに進んでしまったために、このようなことになってしまったと。非常に残念です。
 その最初に撮影に及んだ段階のことですが、銃を受け取ったときに、これは自衛隊の本来の装備品であると捉えたのか、それともおもちゃだと捉えたのか、どちらだったのでしょうか。


市長

 戦闘車両の前で撮影をしていたときに、自衛隊の関係の方から「これもどうぞ」ということでぽんと渡されたので、実はその流れで撮影してしまったということがあります。その段階では、それが本物という認識はありませんでした。


吉田

 何か銃を渡した自衛官が悪いみたいに聞こえるのですが、そうではないですよね。そうしない判断もできたはずなので、受け取って写真撮ったのはあくまでも市長の御判断ということになってしまうのですが、なぜそれが装備品ではないと分かるのですか。私も火器には詳しくないのですが、その模造銃というのは、重さとか、材質とか、どういうふうにそれを捉えられたのですか。


市長

 関係の方の個人的な持ち物と伺っていましたので、模造だと思いました。


吉田

 その場で確認したのですか。その自衛隊の方に「これは私の個人の所有物ですからどうぞ」と言われて、それを受け取ったということですか。


市長

 どういう言葉で言われたかは忘れましたが、そういった趣旨でお話をされて受け取りました。


吉田

 模造銃は今法律上、模造拳銃と模擬銃器という2つ定義があります。模造拳銃は単純所持で違反となります。非常に違法性に近いようなことになってしまうので、やはりその場で「どうぞ」と言われて、「はい分かりました」と受け取るようなことは、判断としては非常に軽かったのではないかと思います。
 もう一つの分岐として、SNSに投稿してしまったと。私もいろいろ投稿していますが、それも気をつけながらしているところではあるのですが、何かを全世界に向けて表現するということは、そこに何らかのメッセージが込められていると思います。これすばらしいですよとか、これどう思いますかのようなメッセージが必ずそこにはある。今回市長は御自身の戦闘車の前で銃を構えた画像を全世界に発信するに当たって、どういうメッセージを込められていたのですか。


市長

 その写真は削除しましたが、戦闘車両の前で私が立って模造銃を構えている、その後ろ側に、実は働く車の高所作業車がちょうどいい感じで写っていまして、模造銃を持たずに戦闘車両の前で撮った写真もあったのですが、構図がよかったということで、大変軽率でしたが、いわゆる秋まつりの盛況な様子、そして、私としては先ほど答弁しましたように働く車という認識もあったものですから、働いている自衛隊員の皆様の活動の一端も含めてお知らせをしたということです。かつ、子供たち含めた御家族連れに非常に好評、盛況な様子でしたので、そういった活況もお伝えしたいということで掲載した次第です。  いずれにしろ、大変軽率な行動だったと思っています。


吉田

 働く車のコーナーに、確かにその高所作業車ありました。それも趣旨としては子供たちに見てもらいたい、よく分かります。でも、隣にまずいものが写っていたら、それはトリミングして消して、その大事な部分だけ写すという手法もあったと思うのですが、構図がよかったというのは、恐らく自分が構えているものも含めて構図がよかったのかなと捉えてしまうのですが、やっぱり何かまだ軽さが残っているのではないですか。そのあたりの意識というのが、どうしても理解できない部分があるのですが、ただ、市長も、この件に関しては新聞の報道などを受けて、御自身も大変思いがあると思います。
 それに対してどういう意見があったのかを次に確認させていただきたいと思うのですが、SNSを閲覧した方や新聞記事を読んだ方などから、抗議文を含めて多数の意見が寄せられていると伺っています。
 小項目2 外部から本市に寄せられた意見を全て市長に伺います。


市長

 新聞報道があってから、市には5件の意見が寄せられております。
 内容につきましては、肯定的な意見が4件、否定的な意見が1件寄せられております。これらの御意見を参考にしてまいりたいと考えております。


吉田

 肯定4件、否定1件とあるのですが、どこで肯定・否定を判断したのか基準がよく分からないのですが、そもそもこのことが新聞記事に載る前に抗議があったというその抗議はここには含まれていないのですか。


市長

 抗議を含めるとまた別です。今回の5件の中には、団体の方々からの抗議は含まれていません。


吉田

 私は質問の中で、外部から本市に寄せられた意見ということで、期限を切っていないのですが、SNSを閲覧した方からというのも、団体も含めて当然私はそういう認識なのですが、正確にこのいきさつにおける頭から現在に至るまでの意見全体の数と、肯定・否定、市長側の捉え方ですが、それを伺いたいと思います。


市長

 本市に寄せられた意見ということでいいますと、令和4年11月21日付で3つの団体の方々から抗議という形で書面で申入れをいただきました。
 そのほかは先ほどお話ししたとおり5件の意見があったということです。


吉田

 そして、書面における抗議を受けられて、その後、投稿を削除したと伺っているのですが、抗議のどの部分に動かされて削除することを決めたのですか。


市長

 まずは先ほど御答弁申し上げたとおり、不快な思いをされた方がおられるということ。それから、戦闘車両の前で首長が、模造銃であれそういったものを構えているということで、車両の展示イコール何か戦争というような誤ったメッセージをお届けしてしまったかもしれないといった反省から、削除させていただいたということです。


吉田

 抗議文には書かれていない内容で、何か御自身で自主的にまずかったなと思われるようなことはなかったのでしょうか。


市長

 抗議文には、その自衛隊の特殊車両の展示をいつから行ってきたのか、どのような経緯で行ったのか、令和5年からはこのような車両や武器の展示はやめること、それから、私のSNSでの投稿に対して深い反省を求めるといったような内容でして、ここに書かれていないということでいえば、先ほど申し上げた、私のほうで、秋まつりの盛況ぶりをお伝えしようとしたところ、違う形でメッセージが届いてしまったというところを反省したところです。
 また、協力いただいた自衛隊員の方々に大変申し訳ないという思いでいます。


吉田

 記者会見の中で、ウクライナ情勢や北朝鮮からミサイルが飛んでくる状況下でという部分があって、なぜこのような投稿が不適切だというところにそれが結びつくのかよく分からないのですが、それは恐らくあさって、別な議員から質問があると思いますので、そちらにお任せするとして、SNSに発信して、それが原因で問題化されたということであれば、SNS上でもまずそのことについての説明、経緯と、そして、もしおわびの言葉があれば、そちらにおいてもおわびというのが普通の流れではないかと。少なくとも私はこれまでトラブルにおいてはそのようにしてきましたが、そのようにされなかったのはなぜなのでしょうか。


市長

 削除した段階では、そこまで様々考えるいとまがなかったということだろうと思っています。
 それと、基本的なSNSの私の考え方としては、できるだけ「愛されるふるさと なとり」に向けて、明るい話題をお伝えすることで名取っていいまちだなと考えてもらえるように取り組んできたわけでありまして、ある意味、非常にデリケートな話題になっていますので、そのことについてあえてSNS上で何か説明をするといったところまでは思っていなかったということです。


吉田

 市長のSNSの使い方は自由なのですが、そこは公人であるということと、そして今回のこの問題は公務の中で行われたということ。公務のことをSNSで紹介した以上は、それも公務の一環に含まれると思うのです。そうであれば、まずかったらまずかったの反省もそこで行うということではないかと思うのですが、今これをやっても、時期も随分過ぎていますし、別な形でこれから市民のために働いていただければと思うのですが、先ほどその肯定の意見、否定の意見があったということで、もちろんこれは賛否分かれると思います。こういうふうに相反する意見が寄せられている中で、今後自衛隊の展示を続けるか、続けないかについて、その中身も含めて、どのような理由づけで決定をされていくお考えなのかお伺いします。


市長

 災害から国民を守り、また他国の侵略から国を守るという崇高な使命感の下で働いておられる自衛隊の活動を市民に知ってもらう機会でもありますので、今後、秋まつり実行委員会の皆様ともしっかりと議論をして検討してまいりたいと考えています。


吉田

 そのことを聞きたいのではなくて、抗議の中に相反する2つの意見があるということなのです。どっちかを聞けばどっちかを聞かないことになってしまう非常に難しい問題だと思うのですが、そのことを今説明されて、その内容で皆さんの理解を得られるかどうかというと、私は今の理由づけでは厳しいのではないかと思います。
 ここからその次の小項目3に移っていきますが、この一連の流れの中で、私は、市長のお人柄とか今ほどの御答弁の中から、市長は多分軍事マニアではないと思うのです。徴兵制賛成などそういう危険な思想を持っている人でないことも分かります。ただ同時に、そうした殺傷力のある兵器や、それを使うことで起こることへの想像力が少し足りなかったのではないかという意味で、逆の危険を感じるのです。そういう方が実行委員長であり、これまでの経過の説明責任にもいろいろ答弁が違っていたりということになると、このまま自衛隊の展示を続けることは難しくなってしまうのではないかと、私は逆に危惧をしているのです。もちろん私は、自衛隊が後ろ指を指されるような存在になってほしくはないのです。最近ではセクシュアルハラスメントの不祥事など非常に残念な問題も出てきてはいるのですが、それでもやはり国民を守る、そして国民と共にあるという自衛隊について理解を広げていきたい、それが私の考え方です。令和5年以降も適切な形で自衛隊の展示を続けていくことを望んでいるのですが、現在の市長の御説明では不十分ではないかと思います。
 そこで、小項目3 自衛隊による展示が適切に続けられるよう、混乱を招いたことに対して責任ある態度を示すとともに、不安をもたらさないよう説明に努めるべきと考えますが、市長の御見解を伺います。


市長

 秋まつりにおいて自衛隊の展示はこれまでも行われてきたところです。
 災害から国民を守り、他国の侵略から国を守るという崇高な使命感で働く自衛隊の活動を市民に知ってもらう機会でもありますので、秋まつり実行委員会の皆様ともしっかりと議論をして検討してまいります。
 一方で、現下の状況において、私が戦闘車両の前で模造銃を構えた姿の写真をSNSに投稿したということは、適切ではなかったと反省をしております。


吉田

 昨日の河北新報の投書欄のところに「模造銃持つ市長に違和感」、それから、「人あやめる武器展示反対」と、やはりこういう意見を持たれる方のそのお気持ちというのはもっともだと思うのです。こういう兵器というのは、一つ間違えるととんでもない方向に進んでしまいます。それがたとえ一自治体の首長であっても。
 肯定的な意見がたくさんあったと。今軍事費が上がっていって、何となくそれがすうっと通っていってしまう。日本はこの先どちらの方向に進んでいってしまうのか分からないような中で、ある意味それを後押ししてるようにも見えなくもないのです。子供のための予算、教育のための予算が足りないという中で、軍事費はあっという間にGDP2%と。市長のその政治姿勢とは逆の方向に行ってしまっているのではないかと思うのですが、これまでの一連の流れについて、一から検証して、改めて市民等に対して説明とおわびを表明されるべきではないかと思うのですが、お伺いします。


市長

 模造銃とはいえ、人をあやめる道具を構えたその写真をSNSに投稿したというのは、市長として適切な行為ではなかったと深く反省をしているところです。不快な思いをさせてしまったことについては、大変遺憾に思います。
 今後このようなことが二度とないように、しっかりと反省していきたいと思っています。


吉田

 市長、反省されているということですが、SNSの使い方、市長のお仕事ですから、本市のいいところのPR、どんどん行っていただきたいと思うのです。ただ、その使い分けです。公の器なのか、個人の器なのか。例えば、私非常にがっかりしたのが、広報なとり12月号、市長のコラム、今年の3大ニュースです。名取市の3大ニュース、これは何でもいいのです。個人の3大ニュース、自転車、歩いた距離、山登り、あと、長女の御結婚。大変幸せなニュースだと思うのですが、それは公の器で発信するべきことではないのではないですかということを言いたいのです。そういうことこそSNSを使ってどんどん市長の個人としてやっていただくのだったら何も言うことはないのですが、公の器を使う以上は、それは市民全体の財産ですので、一層運用の仕方には気をつけていただきたいとお願い申し上げます。
 以上で、私の一般質問を終わります。


本会議

(議案第89号 名取市犯罪被害者等支援条例)


吉田

 条例の第2条第2号、犯罪被害者等の部分でお伺いします。
 こちらの定義として「犯罪等により害を被った者及び」ということになっております。害を被るという部分の害の範囲、規模についてはいろいろな捉え方ができると思うのですが、犯罪被害者等の「等」の中には、御自分の注意力などにかかわらず、知らない間に犯罪者の家族になってしまった方、例えば知らないところで夫が悪さをしていて、急にそれが明るみに出て、その瞬間から犯罪者の家族とみなされるようになった方は、この「等」の中には含まれないのでしょうか。


防災安全課長

 加害者の家族がこの「等」に含まれないかということについては、当条例で加害者側の支援は想定していないところです。今後、国のほうでそのような支援についてどのような法整備を行うのか、その動向等を注視しながら対応していきたいと考えております。


吉田

 もちろん優先順位というか、誰を一番最初に救っていかなければいけないかといえば、それは当然、直接害を受けた方、そしてその御遺族、関係者の方というのは理解できます。その一方で、自分の親族が犯罪を犯していたことにより、執拗にマスコミに追いかけられたり、あるいは社会的バッシングを受けたりして、最悪の場合、自殺に追い込まれるというようなケースも国内では起きていると伺っています。
 第3条の基本理念の部分を見ますと、犯罪被害者等のための支援は「被害者等がその名誉又は生活の平穏を害されることなく」など、理念としては大変正しいものをうたっていると思います。しかし、このようなところに御自分の責任の及ばないところで家族が犯罪を犯してしまった、それが例えば未成年者なら親の保護責任も生じると思いますが、成年同士の、例えば夫婦であったり、いろいろなケースがある中で、御自分が全く知らないところで犯罪が犯されていたという場合に、どこまで家族あるいは配偶者に責任を負わせるかというのは、いろいろな考え方があると思います。ここでそのような部分も一歩踏み込んで検討していただくことができたらよかったのではないかと私は思うのですが、改めて今後の、先ほど国の動向など話されましたが、どのような流れになってきたら改めて検討されるかについて、確認させていただきたいと思います。


総務部長

 犯罪被害者等の「等」に加害者側が入らないのかということについては、先ほど防災安全課長が答弁申し上げたとおりです。今回支援の対象としている犯罪被害者等については、経済的な問題、誹謗中傷、ハラスメント、いじめ、そのような社会的問題に直面しているということから、条例化をしているところです。国においても同じような基本法が出来上がっております。
 ただ、これらの社会的な問題について、議員御指摘のとおり加害者側の御家族についても同じような課題があることは、世の中でも少し認められてきている状況にはあるようです。ただ、国においても、先ほど防災安全課長が答弁申し上げたように、まだ法整備がされていない状況ですので、その点については国の動向を見ながら、今後考えていくことになると思います。とはいえ、実際条例化していないから、国の法整備がされていないから何もしないということではなくて、具体的に市民の方から御相談があった場合には、本市の既存の制度になりますが、心の相談や人権問題、法律相談などの制度で対応していきたいと考えております。


(議案第92号 令和4年度名取市一般会計補正予算)

吉田

 10、11ページ、19款2項7目ふるさと寄附基金繰入金、こちらの主な充当先について伺います。


財政課長

 ふるさと寄附基金繰入金ですが、今期補正予算では3つの項目に対して充当しております。1つ目が民生費、3款1項6目の精神障害者福祉費の友愛作業所駐輪場改修工事に対して27万円、2つ目が農林水産業費の6款1項3目農業振興費の農業生産体制強化事業に4,776万3,000円、3つ目が商工費の7款1項2目商工振興費のふるさと寄附金謝礼品に6,830万円、以上3項目に対して充当、繰入金を行っております。


吉田

 16、17ページ、2款1項6目企画費7節報償費、まちづくりディスカッション参加者謝礼、こちらの内容について伺います。


政策企画課長

 まちづくりディスカッションですが、令和5年度において自転車活用推進計画の策定を検討しております。その検討の前段階で、市民の意見を直接聞く機会として、令和4年度中にまちづくりディスカッションの開催を予定しております。
 内容としては、市民に対して参加を呼びかけ、参加希望をいただいた方50名にお集まりいただき、自転車をテーマとしたディスカッションを行うもので、その意見を新たな計画に反映させていこうということで考えているものです。謝礼として1人当たり5,000円、50名で予算を立てております。


吉田

 自転車を活用していくことについては、時代の変化といいますか、ゼロカーボンの観点もありますし、健康づくり等、大変必要な施策の一つと位置づけられると思います。市民参加という形で一般に公募して公民館のことや都市計画マスタープランなど、よくそういうワークショップみたいなものを行う場合、あまりそういうもので謝礼が発生すると聞いたことがないのですが、今回この50名の方はお一人5,000円をお支払いするだけの十分な情報を提供していただけると捉えているのですか。それとも、謝礼を払わなければ人が集められないという考え方なのでしょうか。なぜここに謝礼をつけるのかについて、伺います。


政策企画課長

 こちらのまちづくりディスカッションは、朝早くから夕方まで丸1日拘束という形でお願いをしております。実際、謝礼を払わなければ来ていただけないというところも若干はあるのですが、政策企画課で開催しているほかの委員会や協議会に御出席をいただいた方への謝礼として、5,000円の図書券をお渡しすることにしていましたので、それに合わせて立てたものです。


吉田

 16、17ページ、2款1項6目企画費7節報償費、先ほど質疑したまちづくりディスカッション参加者謝礼について、改めてお聞きします。
 丸1日拘束する形でということだと、想像ですが、実際に自転車に乗っていただいて町なかを走ってもらったりするのも、その中に含まれるのかなと考えられます。1日の流れといいますか、詳細が決まっていたら、そのあたりももう少し御説明いただきたいと思います。


政策企画課長

 まだ詳細は検討中ですが、今の想定としては、午前中に現在の本市の自転車活用の状況や、今回ディスカッションを行う趣旨などについての御説明を差し上げる予定です。午後からはグループごとに分かれて、ディスカッションをしていただきます。そこでグループごとに取りまとめたもの、またディスカッションの中で自転車というテーマだけではなく、例えばスポーツ面で自転車を活用する、観光面で自転車を活用する、そういう個別のテーマを設けて、できるだけ多く御意見が出るような形で進めていきたいと思います。それをまとめるには、夕方まで時間がかかるだろうという想定でおります。


吉田

 自転車を活用しやすい町並みにしていくということには大賛成ですが、現状で自転車が安全に走れるような道路には、もう既に自転車が走るためのスペースが確保されていますし、自転車が危ないと思って、自転車が通れるようにしてあげたいという細い道などは、もう構造的にそういうことができないという状況です。このディスカッションを行って、恐らくそういう細い道を拡幅してほしいとか、道路を大きく改善してほしいという意見が出てくると思うのです。出てきた意見は土木課なりなんなりで道路を大きく改良していくということまでしっかり見込んでいるのでしょうか。これに参加する方は、要望しても要望しっ放しで、結局できませんでしたとか、検討しますで終わってしまったのでは気の毒だし、今後そういうものに参加しようという意欲もなくなってしまいますから、やはり意見を言ってもらった以上はそれを実現しなければいけないと思うのですが、そこまでの道筋、そして予算的な今後の可能性、しっかりそれは執行部として考えの中にあるのでしょうか。


政策企画課長

 今回策定する予定の自転車活用推進計画ですが、前身となる自転車利用環境整備計画はハードのほうを中心に立てた計画でした。復興の中で、そのような自転車道路も整備してきたところです。新たに、その次の活用推進というところで計画を立てていく予定です。ですので、先ほど申し上げたスポーツや健康、環境の負荷軽減、そのようなところについて御意見をいろいろいただきたい。それを計画に盛り込んでいくということですので、御意見いただいたものを、すぐ予算を取って整備に進めていくということではなく、その御意見をもって今後どのような市にしていくか、どのような自転車活用をしていくかというところを計画に入れていくということで考えております。


吉田

 16、17ページ、2款1項17目市民活動促進費12節委託料、市民協働提案事業委託料で、これは補助金ではなく委託料ですが、この委託料の減の内容について伺います。


市民協働課長

 こちらの内容ですが、令和4年度に実施する予定団体2団体から、事業の実施が困難であるため辞退または事業延期の申出があり、契約に至らなかったことから、今回委託料を減額するものです。


吉田

 そうすると、この部分に限って皆減ということになるのですか。


市民協働課長

 議員お見込みのとおりです。


吉田

 36、37ページ、4款1項3目一般予防費の12節委託料、新型コロナワクチン接種関連です。先日の提案理由の説明で、6か月から4歳児という内容だったと思うのですが、この子供たちに今回接種するワクチンは、いわゆる従来型のワクチンなのですか。その後の変異でオミクロン型等いろいろ出ていますが、最初の型の従来型なのか、メーカーの名前もつかめていれば確認させてください。


新型コロナウイルスワクチン接種対策室長

 乳幼児に使われるワクチンについては、ファイザー社製の従来型のワクチンの乳幼児用となっております。


吉田

 従来型ということでした。乳幼児用ということで、1人当たりの量が少ないと見込んでいると思うのですが、今までもこれより年齢の高い方の接種が進んでいる中で、全体の接種率が100%ではなく、ワクチンに余りがあるということです。そういう余ったワクチンを今回打つということになっているのですか。それとも、お子さんたちのワクチンは新しくこのために製造されてきているものでしょうか。これまでの本市のワクチンの在庫も、もし数字としてあれば併せて伺います。


新型コロナウイルスワクチン接種対策室長

 今回乳幼児に使われるワクチンは、乳幼児用として薬事承認されているファイザー社製の乳幼児用のワクチンで、乳幼児の接種が始まってから新たに使われ出したものになっております。
 ワクチンの在庫ですが、令和4年11月初旬に初めて乳幼児用ワクチンということで本市に搬入されまして、その後、接種を実施している医療機関に出している状況になります。現在、11月になってから2回ほど各医療機関に配送を行っておりますが、ワクチンの在庫数としては349バイアルが今残っている状況になっております。


吉田

 42、43ページ、7款1項2目商工振興費7節報償費、これは先ほど歳入でふるさと寄附金からということでしたが、この謝礼品の内訳、中身の部分について伺います。


財政課長

 ふるさと寄附金謝礼品の内容ですが、過年度分に寄附を受け入れたものに対して、令和4年度に返礼品を送る分があります。いわゆる定期便などの返礼品ですが、そこの部分の経費が不足するために今回補正をお願いするものです。内訳としては、返礼品の調達費用5,540万円、配送料1,290万円、合計で6,830万円という内容です。


吉田

 令和4年12月に返礼品の中で最も人気の高いサッポロビールのビールが製造を終えるということで、返礼品に今後ビールを送ることができなくなると思います。今回ここに反映されていないのかもしれませんが、今後のスケジュールに何か見込みがあれば伺います。


財政課長

 今回の補正については、今議員からお話があったビールの製造が終了するという部分も影響があります。先ほど答弁したとおり、過年度分に寄附を受けて、定期便というのは12回で送付する等のものですが、令和3年度に寄附を受け入れて令和4年度に歳出だけが出るという内容の金額となっております。ビールについては、サッポロビール仙台工場で令和4年12月に製造終了というお話を伺っております。現在は送ることができているのですが、12月が終わった時点で在庫分の返礼品がどのくらいになるかというのは現在捉えていないところですが、在庫分で返礼品として扱っていけるという状況です。


吉田

 26、27ページ、3款2項1目老人福祉総務費22節に老人クラブ助成費返還金とあり、これは本市からどこかに対しての返還金ということだと思いますが、その内容について伺います。


介護長寿課長

 こちらの返還金は、令和3年度に県から交付された補助金に対しての返還金です。


吉田

 それは令和3年度の予算の中で処理すべき費用だったものが、繰越しになって今回返還という扱いなのですか。


介護長寿課長

 令和3年度の返還金は、令和4年度になってから交付額が確定したということで県から通知があったことにより、超過となっている交付分を県に返還するものになっています。


吉田

 56、57ページ、10款4項1目学校管理費14節工事請負費の教室改修工事です。4年生から5年生に上がるのに2クラスにということであれば、令和5年度のクラス数はもう大体見込みがついていると思うのですが、1学年から5学年までが2クラスずつで、6学年から9学年までが1クラスずつという見込みでよろしいですか。


教育総務課長

 議員お見込みのとおり、1年生から5年生までが2クラスずつ、6年生から9年生までが1クラスずつです。


吉田

 この調子で、その次の年も1クラス増、次も増となっていく流れが見えてくるのですが、現在の校舎で、もちろん普通学級だけではなく特別支援学級もありますが、今後普通学級の数が増えていったときに、また改修をして普通学級を確保できるスペースは、何クラス分あるのでしょうか。


教育総務課長

 建設当初から1学年2クラスまでは教室を確保できるという想定をしているところです。


(議案第93号 令和4年度名取市国民健康保険特別会計補正予算)

吉田

 76、77ページ、2款6項1目傷病手当金ですが、これは新型コロナの傷病手当金なのでしょうか。その人数と日数の内訳について伺います。


保険年金課長

 当初予算の時点では5人を対象人数とし、日数はそれぞれ21日間、単価7,000円と見込んで、73万5,000円という予算を立てていたところです。実際は、令和4年11月時点で18件の申請があり、金額は56万3,619円となりました。今後の見通しを検討したところ、全体で36件になるであろうと見込み、既に支給している18件を差し引いた18件としているところです。


吉田

 当初というのは当初予算ではなく、最初の補正からついていたと思います。ここに書き漏れがあったら大変失礼しますが、最初の補正で73万5,000円で、今回がその次の補正ということだと思うのです。最初の補正の分が不足してきたから、今回この金額が増額されたということでしょうか。次の11号補正でもまた増額されているみたいですが。


保険年金課長

 今出している4号補正は、令和4年12月31日までに新型コロナウイルス感染症にかかって職場をお休みされた方の申請が18件あるだろうと見込んだということです。


(議案第103号 宮城県南部消防指令事務協議会の設置)

吉田

 10番吉田 良です。ただいま議長から発言のお許しがありましたので、名和会を代表し、議案第103号 宮城県南部消防指令事務協議会の設置についてに対する反対の討論を行います。
 県南13市町における消防指令業務の共同運用について、初めて説明を受けたのは約1か月前、令和4年11月18日議員協議会においてのことでした。12月定例会に提案するというスケジュールは、あまりに短過ぎ、本市の消防行政の不可逆的な大転換を理解、納得するには到底十分な時間とは言えません。さらに、この議案が成立し、消防指令業務の共同運用が始まった後、本市消防の体制や運営がどう変化するのか考えると、市民にとって種々の不利益が生じることが懸念されます。
 よって、議案を認めることは現時点ではできないと判断いたしました。以下、その理由を申し上げます。
 まず、最大の理由として、説明資料に「広域化に時間を要する地域にあっては」と書かれているように、最終的には消防の広域化が目的とされていることです。市長は、広域化とは切り離す、単独消防で進める方針に変わりはない等の答弁をされておりますが、消防指令業務の共同運用に一度加われば、将来いざ広域化へとかじが切られた場合、そこから抜け出すことは事実上不可能になります。つまりこの消防指令業務共同運用の案は、本市消防をターミナル、終焉に運ぶための片道切符であり、この議案を可決させることは、到着時刻ははっきりしないまでも、とにかく電車を出発させてしまうことに等しいとみなされます。確かに広域消防が全否定されるべきとは思いません。人口減少や少子高齢化が急激に進む日本において、消防の広域化を受け入れざるを得ない地域はこれからも増えるでしょう。本市にとって今それを出発させるべきか、また県南13市町の枠組みに入るべきか、これら2つの観点から、まずは反対の理由を申し上げます。
 1点目、今が出発のときかどうかについて。
 消防指令業務の共同運用に加わることへの利点は、ほとんど費用面にしかないということが、これまでの説明からも明らかです。ゼロ隊運用は、本市の隊が市外へ取られる場合もあるため、利点と捉えるのは表側だけの評価にすぎません。直近指令も、広域消防でなければ効果は限定的と考えられます。財政面の利点という意味では、消防指令業務の共同運用によるイニシャルコストの削減と緊急防災対策事業債を使えるという2点が主なものです。イニシャルコストは共同運用することで、本市として約3億5,000万円を削減できると見込まれておりますが、仮に10年で償還すれば年3,500万円、20年で償還するとすれば年1,750万円となり、本市の一般会計で賄えない金額とは思えません。むしろ市民の生命、財産、安全を守るために必要な経費であるとの理解は十分に得られるものと考えます。共同運用のランニングコスト、本市消防にどの設備を残すかについても、十分に整理されておらず、想定より負担が大きくなることが起こり得ると思われます。
 そもそも本市は、平成31年に岩沼市消防本部が亘理地区行政事務組合消防本部と統合した際、そこに加わるという選択肢を取らなかった経緯があります。あれからまだ4年余りしか経過しておらず、本市の財政状況が大きく悪化しているわけではありません。反対に、手倉田出張所の移転改築や、その開所時の救急車配備の検討など、単独消防を維持、強化する方向でその後の消防行政が進められてきました。広域化へかじを切る理由は見当たらず、突然の方針変更は行政の連続性の原則に反するものと甚だ疑問を覚えます。
 次に2点目、県南13市町の枠組みに入るべきかどうかについて。
 消防指令業務の共同運用となった場合の共同消防指令センターは、大河原町の仙南地域広域行政事務組合消防本部に入ることになります。本市消防職員5名が派遣されますが、通勤時間が現在より長くなる職員がほとんどであると考えられます。本市消防に採用された際には、そのようなことになるとは予想もしていなかったはずです。手当さえ支給すればよいというのは安易な考え方であり、職員に寄り添ったものではありません。本市の消防にははしご車はなく、大河原町と白石市には整備されているということですが、仙台市のほうが地理的にずっと近く、応援協定に基づく仙台市との連携を継続、強化していくことこそ、本市にとっての進むべき道と言えるのではないでしょうか。
 消防指令業務の共同運用に係る費用負担の考え方では、人口割と災害件数割を2分の1ずつとし、現時点で本市負担分は約22%強が見込まれるとのことでした。県南13市町のうち1市の負担分としては、これだけでも相当大きく感じられますが、本市は当面の間、現在の規模の人口を維持できる一方、他の地域は急激に人口が減少していくことが予想されるため、将来的に本市の負担割合増への圧力が強まることは容易に想像できるはずです。この問題が表面化すれば、やはり広域消防が望ましいだろうという道筋へ誘導されてしまうことを恐れるものであります。
 以上が、消防の広域化という全国的な課題がある中であっても、今という時期、県南13市町という枠組み、いずれの観点からも、本市は指令業務の共同運用へ参加すべきではないと考える理由です。
 次に、この案により消防指令業務の共同運用が始められた場合、どのような支障が生じるかについて考えていきたいと思います。
 非常に大きな弊害として考えられるのは、人員の不足がもたらす様々な悪影響です。現在でさえ、現場からは職員の数が不足しているという悲鳴が聞こえてきています。1年間における救急の出動件数は、令和4年は過去最高を更新することが確実となっています。そのような中、ここ4か月余りの間、手倉田出張所が開かれていた日数は約半分しかなかったということです。コロナ禍の影響があるとはいえ、人員不足によって組織の編成にゆがみが生じていることは明らかです。乗換え運用による窮屈な勤務体制、当直者の無理な決め方、事務処理量の増加等々の理由により、年休を希望できず超過勤務を強いられている職員も少なくないと承知しております。
 ただでさえこうした現実があるのに、さらに大河原町の共同消防指令センターに5名が派遣されれば、職員の負担が増加し、市民サービス、すなわち消防力が低下することは目に見えております。人を大切にしない、市民の命よりもコスト削減を優先する組織の姿勢は、離職者の一層の増加を招くおそれもあります。
 弊害はそれだけではありません。通信指令室が本市消防本部に置かれていることによる現状のメリットのほとんどが失われるおそれがあります。現在、救急の出動要請があれば、消防情報支援システムによって過去の搬送歴等を確認することができると伺っています。それが共同運用に引き継がれるのか、現時点では不透明です。また、指令員は通報を受けると、指令前に出張所へ連絡したり、庁内放送を流すなど、事前の情報提供を行っております。こうした努力による時間短縮効果も、共同運用化で失われてしまうことが危惧されます。
 大規模災害を想定したとき、本市の対策本部と共同消防指令センターが物理的に離れてしまうことへの不安も拭い去ることができません。1分1秒を争うような場合でも、情報収集にこれまで以上の時間を要することは確実です。また、共同消防指令センターが仙南地域広域行政事務組合消防本部に置かれているため、広範囲にわたる災害であれば、仙南地域への対応とその他の地域への対応に差が生じることも考えられます。本市やその周辺に限った災害であったとしても、他地域の職員は土地カンがないため、最も適切な指令を行うことは難しいでしょう。日勤者が指令室に入って業務を支援するような現在の対応も不可能となります。
 ほかにも問題があります。広域連携であれば議員を置くことができますが、宮城県南部消防指令事務協議会にはそれすらできません。名取市民が費用を負担するにもかかわらず、名取市民の代表が議決権や同意権などを行使することができません。広域連携でさえ市民から距離が遠くなるのに、宮城県南部消防指令事務協議会は一部の業務とはいえ、それ以上に遠くへ行ってしまうのです。よって、市民から何かの要望があっても、本市議会で提案することはできません。組織への監視は仙南地域広域行政事務組合議会に全て委ねられ、何か意見を言えるとすれば本市の予算・決算における負担金の部分だけとなります。派遣職員は本市の職員であるにもかかわらず、労務管理も含めて本市議会による直接の監視が働かなくなってしまいます。
 このような協議会への参加は、他の選択肢が一つもないという状況でもない限り、また完璧な説明責任を果たせる自信がない限り、安易に決定するべきではないと考えます。コスト削減という利点にばかりとらわれて、大局を見誤ることのないよう、市民と現場職員にとって何が求められているのか、本議案を冷静に判断していかなければならないと思います。
 市民の生命、身体及び財産を守るという消防の機能が揺らぐことのないよう、崇高な使命感を持って任務に当たる職員たちの声を尊重し、未来を見据えた判断をすることの大切さを改めて訴え申し上げたいと思います。
 以上、本議案に対する反対の討論を終わります。