令和4年第6回定例会(6月)


本会議

(連携・統合による新病院整備場所に係る宮城県知事への提案について一般市政報告)

吉田

  土地については、本市が取得し、後に使用貸借契約により無償で提供ということです。病院の設置主体はまだ決まっていないのですが、本来は病院の設置主体がその立地場所を取得するべきではないかと思います。本市が買い取った上で無償でお貸しするという判断に至った理由はどういうものがあるのでしょうか。


市長

 最初に富谷市が手を挙げられて、本市も手をこまねいているわけにはいかないということで様々な情報収集を行ってきました。手を挙げるという方針はすぐ考えましたが、いろいろな情報を得る中で、本市として何らかの条件提示をしなければいけないと考えました。そこで令和2年9月に県知事に要望を出す際に、土地の提供の部分と公共交通の充実について最大限努力するという条件を付し要望書を提出いたしました。


吉田

 公共交通は、名取市民の方が多く利用されることになるので、市が当然に努力すべきだということは分かります。しかし、県全体のバランスを考えて病院を再編して配置し直すということは、県がそもそも言い出していることなので、配置をする場所の確保についても、本来であれば県が責任を取るべきことではないかと思うのですが、県とそういった協議はなかったのですか。


市長

 県と具体的にそういった面で協議をしたわけではありません。要は、まだ主体がどちらになるか分からない。県だけではなく民間の病院も絡んだ大きな話ですので、市として誘致をするに当たって何らかの条件を提示しなければいけないだろうと。本市には名取市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例がありますので、そうしたことを生かして手を挙げたということです。


(報告第2号 令和3年度名取市土地取得特別会計予算繰越明許費)

吉田

 こちらの土地取得の事務で当初のスケジュールと変わった部分があればお伺いします。


消防長

 スケジュール的には変わっていませんが、土地取得等に時間を要したため基本設計等に遅れが出ています。


吉田

 今後、実際に土地取得に至るまでの見込みを伺います。


消防長

 土地については令和3年度で購入しています。


(議会案第3号 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求める意見書)

 看護師ら6人が患者への虐待を繰り返した神出病院における事件をはじめ、近年、医療機関で障害者が虐待される事案が数多く報告されています。
 現行の障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律では、障害者虐待発見時の市町村等行政機関への通報義務は「養護者による虐待」「障害者福祉施設従事者等による虐待」及び「使用者による虐待」に限られ、「医療機関における虐待」は対象外となっています。そのため多くの事件が発覚することもなく、被害を受けた方は泣き寝入りせざるを得ない状況にあります。
 外部から見えない場所で行われる犯罪に対して、本当の意味で障害者への差別や人権侵害を根絶させるためには、虐待発見者の市町村等行政機関への通報義務を、医療機関におけるものも対象とし、また、通報者に対する法的保護も定める必要があります。
 本市議会は、虐待発見時の通報義務対象として、医療機関における虐待を加えることと、通報者に対する法的保護を明記するよう、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
 令和4年 月 日

 名取市議会議長 菊地 忍
 衆議院議長 殿
 参議院議長 殿
 内閣総理大臣 殿
 厚生労働大臣 殿


齋 浩美議員

 この意見書(案)の本文の冒頭の1行に「神出病院」とあります。この病院については、事件として第三者委員会の報告も終わり、事件はクローズし、現在稼働中です。それなのに具体的な名前を出した理由について伺いたいと思います。


吉田

 実際に事件が起きたということが事実としてあります。できれば多くの事案を具体的に挙げるほうがより分かりやすい、理解を得やすい、共感を得やすい意見書の本文になろうかと思いますが、その中でも特に近い時期に起きた、そして、それなりに多くの人が関わって、さらに現状のこの法律の立てつけに関しての問題が明らかになるきっかけとなった象徴的な事件であることから、表記をさせていただいた次第です。


齋 浩美議員

 別な角度で伺います。昨今の障がい者虐待は学校や保育所、幼稚園などの教育機関での虐待が多いとニュースなどで聞きます。なぜ今回の意見書は医療機関だけに特化した内容に限定しているのか、考えを伺いたいと思います。


吉田

 私のほうで学校等で障がい者が虐待されている事案がどのぐらいあるかは把握していません。そのようなことについて具体的な事案は耳に入ってきていません。
 ただ、障がい者の医療機関については、例えば性的虐待として、2020年5月23日、精神科クリニックの院長が強制わいせつの疑いで逮捕された事案、2021年の産業医科大学病院児童精神科医が懲役3年を言い渡されたような事案、暴行や虐待については、2020年の京都府立洛南病院で60代の男性看護師が精神疾患の患者の足を蹴ったり、襟首をつかむといったことが発覚しています。
 今問題となっているのは、現在の法律では、養護者、障害者福祉施設従業員等、そして使用者による虐待の3点のみが通報義務と規定されていて、医療機関による虐待は入っていないことです。医療機関における虐待の件数は見えるだけでも伸びてきています。ただ、法律上、実際に通報することになっていないので、別件で発覚をして別件で事件化されることが多くあります。ですから、実際の件数がどのぐらいあるかということは分からない。分からない中で、言わば闇に葬られているような事案についても、そういう方たちの人権をしっかり守っていかなければいけないという趣旨ですので、今回は医療機関における虐待をそこに付け加えるべきだという内容の意見書としています。


齋 浩美議員

 今別件という話がありました。先ほどの神出病院の話も二百何十ページの第三者委員会の調査報告書があり、それを一気に読みました。この病院については、経営面について、それから、看護師の労務管理で研修などが少ないという話で、コンプライアンスが守られていなかったという別件で確かに見つかりましたが、今回その病院の名前を出すと整合が取れないのではないかと思います。その辺はどう整理しているのか伺いたいと思います。


吉田

 何と何の整合が取れないのか御質疑の趣旨が捉え切れません。
 申し上げたかったのは、医療機関における虐待の事案は通報の規定がありませんので、仮に医療機関内で虐待があり、そこに従事している方が問題があると認識して地元の市町村に通報したとしても、それは正規の通報とはみなされない。ですから、養護者による虐待などと同じような扱いを受けずに、単なる施設内でそういう情報があるというだけで終わらせてしまうと。しかし、これがもし法律の中に規定されたとなれば、市町村側としてその通報を受けた際に、しかるべき同じようなルートで、その案件に対しての捜査を行える仕組みになってきますので、それがあることで医療機関に通っておられる障がい者の方々の虐待を防ぎ、またはもし起きていた際にはそうした事件をしっかり明らかにし、そして救済していくことにつながっていく。そのためにこの法律の改正が必要であるということを今回国に意見書として提出したいと考えています。


小野寺美穂議員

 この意見書の趣旨について何か異論を唱えるつもりは全くありません。ただ、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求めるということであれば、やはり先ほど齋議員が指摘したような、医療機関に限らず報告義務があるところを掲載するのがいいのではないか。
 また、神出病院における事件が、虐待を繰り返していた事実がないと言っているのではなく、この書き方だと、虐待のみが問題だった病院というふうに捉えられかねないのではないか。露見の仕方はもちろん提出者がおっしゃっているように別件で見つかって、その中で虐待も行われていたことが発覚しました。虐待を防ぐという観点からすれば、ほかのことで見つからなければ虐待が表沙汰にならないのは問題だというのは分かります。しかし、この書き方だと、ほかにも雇用状況など病院としての問題がある病院が、虐待だけをやっていた病院と認知されかねず、それだけではないという異論が差し挟まれるのではないか。病院名を具体的に挙げるとなると、この事件そのものの全貌は何だったのかと指摘をされた際に、ややこしいことになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


吉田

 様々な捉え方があることは確かですので、それは個人個人の感性に関わってくるのかと思います。
 今回はあくまでも障害者虐待防止法の改正という観点での意見書として、できるだけ分かりやすく簡潔に要点を絞って、そして多くの方に、できれば全議員の皆様に賛同していただきたいと、賛成していただきたいという思いでしたので、簡潔に、それ以外の様々な細かい事情についてはあえてここには書かず、1ページに何とかまとめて皆さんに御理解いただきたく、こうした文面とした次第です。


小野寺美穂議員

 様々な感性や意見というのはどんなことに対してもあるので、そういうことを言っているのではありませんし、私はこの意見書を通したくないと言っているのではありません。医療機関で障がい者が虐待される事案が数多くを報告されているということについて何の異論も申し上げません。
 ただ、具体的に病院名を入れることによってその事件がクローズアップされると、虐待を繰り返した病院事件という病院事件名なのかとなりかねないのではないか。具体的な病院名などを出す場合は、事件名を正確に書かないといけないのではないか。施設に他者が侵入した事件とは異なるので、事件というからには正確に報告されている事件として表記しないと、意見書として出すには足りないのではないか。または、逆にその病院名は出さないほうがいいのではないかという意見です。いろいろ記すべきと言っているのではなく、虐待があったということを否定しているのではなく、正確を期さないといけないのではないか。虐待を繰り返した事件と言ってしまっていいかということです。事件としてどう世間が認知しているかということです。


吉田

 神出病院の経営の体質などに様々な問題があったということ、そしてまたその看護師の1人が別件で逮捕されて、押収されたスマートフォンに入っていた画像が基になって虐待の発覚につながったという様々な要素がその事件全体の中に含まれているという認識は、確かに議員おっしゃるとおりかと思います。しかし、今回はあくまでも障害者虐待防止法の改正を求める意見書ですので、そこに絞った形での記述の仕方にさせていただいた次第です。


齋 浩美議員

 私も反対というわけではなく、障がい者の方などにこの意見書を送って意見を求めた中で言われたことについて伺っているということを最初に言っておきます。
 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の附則第2条に、施行後3年をめどとして児童虐待、高齢者虐待、配偶者からの暴力等も含めて法全体の見直しを考えますということが書かれていて、平成24年10月に施行されていますが、その後全然見直しがかかっていない。障がい者の方たちは、そこを早く見直してくれと、3年たっているのだから早く切り替えてくださいという話をしているということでした。それで各地方からその意見書を出していますという話を情報としていただきました。
 そうなると、もともとその法律の中で、幅広く3年後に見直すと言っているのですから、今こそその3年以上、10年近くがたっているのだからもっと幅広くしてくれと求めるほうがいいのではないかと思うのですが、今回、なぜ法律に書かれていることよりも狭く医療機関だけに限定しているのでしょうか。その辺は障がい者の方などと対話をして検討されているのでしょうか。


吉田

 私が実際に医療機関で虐待を受けた方から話を聞いているのかと言われれば、そういうことはありません。まずそういう知り合いはいません。
 もちろんいろいろな場面で虐待を受け人権を侵害されている方がたくさんいらっしゃるということは解決していかなければいけない非常に大きな課題であると思いますし、これからそれらを一つ一つ進めていくために市町村議会として国に改めて意見書を提出していくということに私も何も異論はありません。
 今回は、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に医療機関における虐待を入れ込むことによって、今起こっている医療機関における虐待を一つでも二つでも解決に早く結びつけていくという趣旨での意見書ですので、その点については御理解をいただきたいと思います。


齋 浩美議員

 もう一度確認ですが、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の附則第2条に書かれている拡大の方向については置いておいて、あくまでも今回は医療機関限定で広げたいという意図があるということでよろしいですか。


吉田

 この意見書の案文のとおりです。


一般質問

吉田

  10番吉田 良です。ただいま議長から発言のお許しをいただきましたので、事前の通告に従い一般質問を行います。
 初めに、大項目1 地域防災力の強化についてです。
 令和4年3月16日に福島県沖で発生した地震により、本市でも人的・物的被害がありました。また、多くの方が避難所に避難しました。令和4年4月臨時会での説明によると、人的被害としては8人がけがにより救急搬送されたということでした。命に関わるような大きなけがでなかったことは不幸中の幸いでしたが、深夜での発生という要素も加わり、住民同士による安否確認の難しさを改めて感じさせられた次第です。まずは、安否確認に対する本市の考え方について確認させていただきます。
 小項目1 大規模災害が発生した際の住民の安否確認について、現状と課題をどのように捉えているのか、市長にお伺いいたします。


市長

 大規模災害時の住民の安否確認は、救命・救助活動や行方不明者捜索のために、一刻も早い対応が必要であると認識しておりますが、第一義的には共助の範囲内で、近隣にお住まいの方や自主防災組織において担っていただくものと捉えております。
 一方、課題といたしましては、安否確認に大きな役割を果たす地域コミュニティーについて、高齢化が進んでいることや防災に対する意識や活動に地域格差があること、また、一部町内会等において自主防災組織の設立がなされていないことが課題であると捉えております。


吉田

 やはり共助の力が非常に鍵になると思います。基本はやはり自分の身は自分で守る、そして自分で守れないときは地域で助け合うということになると思います。
 本市では、避難行動要支援者名簿を自主防災組織等へ提供する取組が進められています。名簿を提供された側としては、あのような大きな地震が発生した際、まずは要支援者の安否確認が必要ではないかと考えます。しかし、時間帯が深夜の場合、訪問したり電話をかけるとかえって迷惑になることもあり得るため、明るくなるのを待つという判断をした地域も少なくなかったのではないかと思います。独居高齢者が家具の下敷きになり、朝までに力尽きてしまうことも可能性としてはあり得るわけで、このようなケースが想定される場合、自主防災組織はどのような行動を取るのが望ましいと言えるのでしょうか。


市長

 災害の種別や規模、また時間帯、そして天気なども含めて、状況はまちまちだろうと思います。基本的には、議員がおっしゃったとおり、自分の身はまず自分で守っていただき、そして御家族等の安全をしっかり確保していただいた上で、状況に応じて可能な範囲で共助として地域のために働いていただきたいと考えています。


吉田

 助けが必要となったときに、地域の方に助けが求められる状態であればいいのですが、なかなかそうはいきません。技術的にはできていますが、導入に費用がかかるなどいろいろとあり、今後そういった点が課題になると思います。
 そこで、名取市第六次長期総合計画に地域防災力の強化という項目がありますが、この防災力の範疇には共助の安否確認体制は含まれると考えてよろしいのでしょうか。


防災安全課長

 第六次長期総合計画の中に含まれるかという御質問ですが、大きく捉えましてその範疇には含まれるものと考えております。


吉田

 含まれるのであれば、共助の中で安否確認体制を確立するための支援についても、市に責務があると捉えていいのではないかと解釈できると思います。
  それでは、次に移りたいと思います。自助と共助の役割分担についてです。
 第六次長期総合計画によると、本市の自主防災組織の組織率は令和3年3月の時点で79.1%でした。現在はもう少し上がっているのかもしれません。自主防災組織の組織率を100%に近づけることは重要な課題と言えますが、大規模な災害が発生した場合に、行政を補完する組織として期待される機能を果たせるのかどうか、正直なところ疑問があります。
 私は町内会の役員をしていまして、大規模災害が発生した際に自主防災組織はどう行動すべきか、何度か議論した経験があり、災害が起きたら、自力で避難が難しい方の家に救助で駆けつけて、みんなで自家用車に乗せて避難所へ運ぶべきだという意見があります。避難行動要支援者名簿へ登録を同意した方は助けを待っているかもしれない。そのような、それこそ共助の意欲は大変心強いと思いますが、実際に災害が発生したら、救助する側が被害に遭ったり、最悪の場合、命を落としてしまうことも考えられるわけです。
 平常時と災害の発生が予想されたとき、そして災害が発生した後、それぞれどのような行動を取るべきかという基準がないために、共通の理解がなされていない現状では、自主防災組織があってもなくても結果はあまり変わらないということになってしまうのではないかと恐れるものです。
 そこで、小項目2 自助及び共助の役割の範囲について、自主防災組織への聞き取りなどを通じ、実際の災害に対応できる現実的な基準を示すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。


市長

 災害発生時において、まずは自分自身または御家族などの身の安全の確保に努めていただき、災害の危険性がないと判断できた後に、地域の中で安否の確認や被災者の救出・救護、初期消火活動など、可能な範囲で防災活動を実施していただきたいと考えているところです。  議員御指摘の基準については、災害の種類や規模、時間帯、または地域によって防災活動を行える人数や活動範囲は様々ではありますが、共通する自助、共助の役割の範囲について、地区防災マニュアルなどで示しながら周知してまいりたいと考えております。


吉田

 最低限ここまでは地域でやってほしいというものがあれば、大きな団体ではさらにできることをそれに積み上げられますので、最低基準はどこなのか示していただくと、活動する側としてはやりやすくなると思います。
 自主防災組織を設立する際に市から渡される組織図のひな形には、例えば火災抑制活動、救出・救助活動、避難の指示及び誘導、炊き出し等の実施など、ある程度の習熟が必要な技術や、集会所など拠点施設がなければ実施できない内容が含まれています。これらの項目は、最大ここまで行うようにというものなのか、最小限取り組んでほしいものなのか、あるいは考え方を明確にせずに羅列しただけなのか、記載の内容の考え方について確認させていただきたいと思います。


市長

 先ほども申し上げたとおり、熟度といいますか、地域の状況によって、また被災状況等によって、行える範囲は現実的に変わってくると思います。ひな形を示しており、その中で、地域でやれること、やれないこと、ここまではやろうといった話合いをすることがまず大事だろうと思っております。そのようなことも含めて、地区防災マニュアルには、他の地域の取組を紹介し、災害時の役割分担の確認や地区防災訓練の実施、防災資機材の整備など、最低限地域にお願いしたい取組について載せているのが実態です。


吉田

 最低限となると、今申し上げた例の中で炊き出しについては、最低限の中に含められても集会所がない地域ではできません。その辺、もう少し明確に最低限はここまでと示したほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか。


市長

 地区防災マニュアルに、町内会・自主防災組織等でできること(共助)としてお示しした中に、先ほど私が申し上げたような基本的な内容が入っています。それとは別に自主防災組織の組織図のひな形を示していますが、これについては、地域でできること、できないことを地域で話し合って決めていただければいいのではないかと思っております。


吉田

 必ずしも記載の内容をそのまま地域の自主防災組織に反映させるということではないと今確認できました。今後新たに設立する際もそうですが、既存の自主防災組織にも、活動内容について改めて整理し直すタイミングを設けるよう、市からの呼びかけが必要ではないかと思います。私の地区はひな形と同じレベルの大変広い内容を記載していますので、実際災害が起きたときに全部はできないという声があります。恐らくほかの自主防災組織も同じようなケースがあると思いますので、見直しの機会について何らかの形で市から呼びかけてほしいと思います。
 そして、第六次長期総合計画に地域防災力の強化における課題として、高齢化が進む一方で、防災訓練への20代の参加率が低い、また、家族以外で避難を支える協力体制の構築・確保が必要などとあります。こうした課題も自主防災組織がそれぞれ自主的に解決するべきものと捉えているのか、それとも行政として具体的な支援策はないのか、考え方についてお伺いいたします。


市長

 行政としては、まず自助、共助、公助の役割の中で公助としてできることをしっかりと行うとともに、自助、共助についても普及啓発、特に共助に関しては、地域の方が自主防災組織の中でいろいろと地域のために考えていることについて、相談や必要に応じて職員を派遣して一緒に話し合う場合もあるかと思っております。


吉田

 いざ災害が発生したら行政として支援ができないので、もう共助に任せるしかありませんから、平時における体制づくりにより一層御支援をいただきたいと思います。
  それでは、次に移ります。ひとりぐらし老人等緊急通報システムについてです。
 本市では、おおむね65歳以上の病弱な独り暮らしの高齢者が自宅で急病や事故等により緊急に救援を必要とする場合、ボタン一つで市が委託する警備会社に緊急事態を知らせ、必要に応じて救急車を手配したり、警備員が駆けつける緊急通報システムを導入しています。令和3年3月末日現在、212件の設置件数となっております。
 このシステムの設置を必要とする方は、災害発生時にも1人で避難するのは困難であることが予想されます。その方が避難行動要支援者である場合、システムを設置しているかどうかは、同意登録名簿を預かる自主防災組織にとって重要な情報となります。現在は地域の民生委員に対してだけ設置の情報を提供していると伺っています。
 そこで、小項目3 ひとりぐらし老人等緊急通報システムを設置している方が避難行動要支援者名簿への登録に同意した場合、自主防災組織に設置の情報を提供すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。


市長

 今後、ひとりぐらし老人等緊急通報システムを設置している方も、避難行動要支援者名簿に加えて、同意を得た方については、町内会、自治会等の避難支援等関係者に情報を提供してまいります。
 また、これまでは、町内会、自治会等を情報の提供先としてきましたが、今後は自主防災組織にも直接情報を提供できるようにしてまいりたいと考えております。


吉田

 このひとりぐらし老人等緊急通報システムでは、災害発生時、救援に来てほしいと緊急通報があった場合、委託先の警備会社等はどのような対応を取ることになっているのでしょうか。


健康福祉部長

 ひとりぐらし老人等緊急通報システムについては、独り暮らしの方が急病などの場合に駆けつける委託形態となっていますが、災害については、現時点において委託業務の中には含まれていない状況です。


吉田

 担当課が違うのでそれも致し方ないかなと思いますが、災害には対応しないことは設置している方々に周知しているのでしょうか。


健康福祉部長

 登録者には、体調の異変があった場合、あるいは長期間にわたり家を不在にする場合には届け出るようにということで、災害の場合についての周知は行っておりません。


吉田

 緊急通報システムという名称から、何かあったら緊急に駆けつけてくれるものと捉え、仮に災害の場合は来ないと説明があっても、数年たてば忘れる方もいると思うので、縦割りの壁を破って連携してもらいたいと思います。
 災害によって今まさに命の危機が迫っているというときに、通報しても災害だから助けに行けないというのでは意味がないのではないかと思います。通報の対象として、急病や事故等に災害からの安全確保も加えるべきかと思うのですが、市長のお考えはいかがでしょうか。


市長

 もともと制度の趣旨が違いますので、そのことをもって対応していないということではないと思っております。ただ、今回の御提案については、独り暮らしでいろいろとお困りの方、災害の面でも弱者となるような方ですので、委託先とどういった協議ができるかということにはなりますが、検討はしていきたいと思います。


吉田

  それでは、次に移ります。電子回覧板アプリに関する調査の経過についての確認です。
 小項目4 災害安否確認等の機能を備えた電子回覧板アプリの導入補助に関し、令和元年12月定例会では先進的な自治体や導入団体の取組について調査研究を行っていきたいとの答弁があった。以降、具体的にどのような調査が行われたのか、市長にお伺いいたします。


市長

 令和元年度に議員より御提案いただきました電子回覧板アプリの導入補助については、市として具体的な検討を行う段階には至っておりませんが、インターネットや行政機関向けの情報誌などにより、随時、調査研究を行っております。
 近年の例では、令和3年度から愛知県豊川市がアプリを用いた町内会電子回覧板の導入について実証実験を行っていますが、モデル地区として選定された10団体の町内会において、いずれもアプリ導入率が10%台から30%台にとどまるなど、普及や実際の運用に当たっては、なお課題があるものと認識しているところです。


吉田

 数ある自治体の中からなぜ豊川市の例だけが紹介されるのか分からないのですが、令和元年12月定例会の市長答弁の中で整理すべき課題としていろいろと示され、大きく4つに分けられると思います。1つ目は通常の電子回覧板機能を緊急時のモードに切り替える判断を行う責任、2つ目が個人情報を安全に管理する義務を負うなど、町内会役員に係る負担。3つ目が、今、議会でもLINE WORKSの操作でパスワード変わって混乱しているところですが、携帯端末の操作に不安を抱える方への対応。そして、4番目が費用負担です。この4つの課題については、インターネットなどで調査した中でどのように整理したのかお伺いします。


市長

 先ほども御答弁申し上げたとおり、まだ具体の検討を行う段階には至っておりません。ただ、調べた例によれば、申し上げたように、加入率が低い、また運用に当たって課題があると認識しています。愛知県豊川市の担当者に照会して確認したところ、やはり初期導入費用、それから、仮に一定期間の補助があっても、将来的には月額使用料が発生することに対する抵抗、また、個人情報の問題ということで、町内会の中にやはり個人情報を知られたくない世帯があり、そこに対する対応、そして運営上の役員の負担として、導入時の役員のうちはいいのですが、役員が交代した際に継続性が不安といった声があると伺っております。


吉田

 導入率に関しては、本市でもいろいろとアプリを導入している中で、どのアプリも必ずしも高くはないのです。何%加入すればいいという基準もありませんし、徐々に年々上がっていくと思います。現時点で低いからそれが果たして求められていないかといえば、そうではないと思います。
 そして、先ほどの私なりに整理した課題4点ですが、通常機能を緊急モードに切り替える責任については、防災訓練などの際にそれを使用することでトラブルの発生が防げると思われます。個人情報の安全な管理については、町内会に名前を知られたくない方はそもそも町内会に入らないと思うので、そこはどうしようもありませんが、システムに名前を登録したら流出するのではないかというおそれに関しては、こういったアプリに関しては、会社によっては政府が使用しているクラウドに登録しています。政府が登録するぐらいですから相当なセキュリティーがかかっていますので、その問題についてはクリアされると思います。それから、携帯端末の操作に不安を抱える方への対応は、実際そのような方は日本国中にいて、特に高齢者の方はちょっと不安だな、できるかなと言いますが、地域の高校生や大学生がボランティアのような形で使い方を教える取組をしているところがあり、そのようなことを行えば、世代間の交流にもつながって、また別な効果が出てくるとも考えられます。
 残る1つの費用負担については、共助でできる範囲は決まっていると思うのですが、それ以外の3点に係るこうした考え方について、それでもまだ課題があるという認識でしょうか。


市長

 国の施策に何か言うつもりはありませんが、個人の考え方として、国で使用しているクラウドだから安全だと言われても、そうか、安全なのかと思わない方もいるのではないかと思います。個人情報に対する敏感さについては人それぞれだと思います。同様に、費用負担、また役員の負担についてもいろいろな考え方があると思っております。導入費を補助するということは、市がそれについてある程度推奨して推進していくことになろうかと思いますので、その点については、まだそこまで至らない、もう少し課題の整理が必要だと思っております。


吉田

 課題の調査研究がどのような段階に達したら実施するのか、全く分かりません。2年半の間に何か進むのかと思ったら、何もしていないということなので、それはいかがなものかと思います。
  その費用負担についての課題を最後に取り上げたいと思います。
 この電子回覧板アプリは、住民安否確認をより確実に進めるという意味だけでも、導入の意義は非常に大きいと考えます。大規模災害において一人一人の安否確認まで行政で行うことは、はっきり言って無理です。また、地域内で共助で行うとしても、これまでの電話による連絡網などを含めて機能するかといえば、それも非常に難しいという実情があります。
 先般、宮城県が津波浸水想定を公表した際に、何としても人命を守るという基本理念を掲げました。この方向性に沿って、全員の避難を可能にする避難計画を策定するとともに、全員の安否を確認できる体制を整えなければならないと思います。電子回覧板を共助において導入することで、より強固な安否確認体制を構築できるのではないかということです。
 ただ、そのようなサービスはほとんどが有料です。代表的な電子回覧板アプリとして結ネットについて紹介しますが、1組織体当たりの月額料金として、基本料金と利用単価が定められています。基本料金は、300世帯までが1,100円、301世帯から600世帯までが2,200円と、世帯数が増えると金額が上がる仕組みです。利用料金は1ID当たり110円からID数が増えると単価が下がる設定となっています。また、それらとは別に初期費用がかかります。町内会の会計だけでは不足しがちになることから、電子回覧板アプリの導入を支援している自治体があり、先ほど御紹介があった愛知県豊川市もその一つだと思います。
 ここで紹介したいのは、まず一番近いところで、仙台市青葉区の宮城地区の西部で結ネットの試験導入が行われています。これは8町内会で実施されており、費用は行政が負担するとともに、管理も行政で行っているため、役員交代の際などに、その都度市の職員が情報を更新しなければならない煩雑さがあると伺いました。これとは異なり、管理を町内会等に任せて、利用料金を補助している自治体もあります。石川県金沢市では、世帯数に応じて年間30万円から補助率4分の3以内という、地域コミュニティICT活用促進事業費補助を行っています。また、石川県小松市では、地域協議会を対象に地域連絡アプリ導入支援として、年間最大50万円、補助率は何と10分の10という補助制度を設けています。これらの自治体が実施する防災訓練において安否報告率は年々高まっており、若い世代の参加促進にもつながっているそうです。こうした取組によって、何としても人命を守るという理念が一層現実的なものになることが期待されると思います。
 そこで、小項目5 住民安否確認などの面で自主防災組織の活動を支援し、若い世代の活動への参加を促進するため、石川県金沢市や石川県小松市などの事例を参考に、電子回覧板アプリの導入補助制度を創設すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。


市長

 自主防災組織における災害時の安否確認方法の在り方については、個々の団体の実情や地域性も尊重しながら考えていくべきものと捉えております。
 そのような中での電子回覧板アプリの導入については、運営する各団体の役員の負担やスマートフォンの操作に不安を抱える方への対応、アプリの利用料として各世帯に月額料金の負担が発生することなど課題が多いため、補助制度の創設については市としては考えておりません。
 先ほど御紹介した愛知県豊川市の例では10%台から30%台の導入率で、これは何としても人命を守るということからすると、町内会で登録を呼びかけて登録した方が、例えば全世帯が7,700世帯の中で1,700世帯にとどまっているといった状況で、これでは全員を救うことはかなわないだろうと思います。
 デジタル技術を活用して防災・減災に取り組むこと、特に議員御提案の住民の安否確認などに地域の共助の中で取り組むことは非常に大事であり、それに対して市として様々な形で支援をしていきたいという思いはあります。ただ、今提案いただている電子回覧板アプリの導入については、まだいろいろと課題があると考えているということです。


吉田

 先ほど来、地域の共助における安否確認体制の確立などいろいろな課題を挙げて、私は具体的な提案をしているのですが、それに対して、どのようにして全ての人命を守るということを一歩でも先に進めるかという市の姿勢が見えてこないのです。では、これに代わってどのようなことを行うのか、もっと具体的に、そして実効性のある内容を示していただかなければいけない。それも大いに議論して詰めていかなければいけないと思いますが、もっと有効な内容をしっかり示していただきたい。私はそこに尽きると思います。もちろん電子回覧板が全てだとは思いませんが、一つの手段ではあると。今、デジタル化を進める中で、効果はある、ゼロよりは高められる。市でもそれ以上に効果が高まる施策を示していただくように、今後の取組を期待したいと思います。
  それでは、次の質問事項に移ります。大項目2 児童生徒の新型コロナウイルス感染対策についてです。
 新型コロナウイルス感染症が中国の武漢で確認されてから今日に至るまで、日本を含む世界の国々は、国民の命を守ることを第一に、社会経済への影響を最小限に抑えるよう苦心しながら未知の脅威と対峙してきました。コロナ禍の始まりから2年半が経過しようとしています。新型コロナに打ち勝ったとまで言える状況ではないにしても、ワクチン接種が進み、集会などの人数制限も撤廃され、国境をまたいだ人の往来が再開される方向に進んでおります。この2年半、多くの人にとって、また多くの共同体にとって、得るものよりも失うもののほうが多かったと言えるのではないかと思います。多くの人命が失われたほか、後遺症で健康を失った方もおられます。また、仕事を失い、財産を失い、チャンスを失った。影響が少なかった人でも、一つくらい思い当たるケースはあるのではないでしょうか。
 大切な何かを失ったという意味では、成人よりも成長期にある子供たちのほうが深刻だと思います。一部の医師からは、子供や若者世代は新型コロナに感染してもほとんど重症化しないとの指摘がありましたが、子供から高齢者への感染拡大が考えられることから、原則として全世代に同じレベルの感染対策が施されてきた経緯があります。子供たちにとって失われた2年半が、3年、そして4年、5年とならないよう、コロナ禍以前の日常を早く取り戻し、得られたはずの経験を少しでも埋め合わせることが課題であると思います。
 この質問が子供たちの日常を取り戻すきっかけとなることを願います。
 まずは、これまでの児童生徒の感染状況について確認させていただきます。小項目1 市内小中義務教育学校、保育所及び児童センターにおいて、新型コロナウイルスが児童生徒間で感染した事例を市長と教育長にお伺いいたします。


市長

 保育所においては、マスク着用を一律には求めていないことから、一緒に近くで遊んでいた、また、同じテーブルで御飯を食べていたなどの状況で感染したと推測される事例があります。
 また、児童センターにおいては、同じクラスに所属している児童が、マスクは着用しているものの、おしゃべりや身体の接近を伴う遊びに夢中になり、複数人が新型コロナウイルスに感染したと推測される事例があります。
 このような推測される事例はありますが、保育所及び児童センターを利用する児童等の感染は、保健所による濃厚接触者の特定が行われなくなったことから、その感染経路の正確な把握はできておりません。


教育長

 これまで新型コロナウイルスへの感染が確認された児童生徒については、ほとんどが家庭内感染と感染経路不明であり、校内や児童生徒間での感染は少ないものと捉えております。ただし、その感染についても、確実に校内で感染したかどうかは分かっておりません。
 校内で感染したと思われる事例を挙げると、1つは、仲のよいグループが休み時間ごとに集まり、身体接触を伴う遊びや話をしていた例、もう一つは、換気のできない部屋で長時間楽器演奏をしていた例などが挙げられます。


吉田

 実際に感染してしまったお子さんは本当に気の毒というか、ただ、それを責めるつもりは全くありません。そうした子供たちが、自分自身が何か悪いことをしたと捉えたとしたら、それは違うと思います。そのあたりのケアも恐らく学校あるいは児童施設で行われていると思います。
 マスクを着用していなかったことが感染の理由であると明確な事例は確認されているのでしょうか。市長と教育長、両方にお伺いします。


市長

 そうした医学的な知識が必要な部分で、本市として判断できる要素はないということです。
 ちなみに、東京大学医科学研究所のデータを基に内閣官房が作成した資料によりますと、不織布マスクの効果として、マスクの着用があって、聞き手のみ着用していた場合にはウイルスの吸入量が47%減、話し手のみの場合は70%以上減、両方が着用していた場合には75%減といったデータがありますので、マスクの効果は一定程度あるものと捉えております。


教育長

 感染予防については、マスクをすること、換気をきちんと行うこと、それから一定の距離を保つことがよく言われております。
 先ほど申し上げた、仲のよい十数人のグループが身体接触を伴って休み時間ごとに過ごしていたケースでは、時にはマスクを外して会話をしていたことが報告されています。ただ、それがマスクを外したことによって感染したのか、それだけが原因かどうかはなかなか判断が難しいところです。それから、換気ができない部屋で長時間演奏していたケースについては、当然、楽器演奏ですのでマスクを外しています。ただ、その場合でも、換気がきちんとできていれば感染リスクは少ないということは保健所からも度々指導を受けています。
 ですから、マスクを外したことを即感染と結びつけるような、はっきりした事例は確認できていないところです。


吉田

 念のために確認ですが、捉えていればで結構です。新型コロナに感染した市内の児童生徒の中で重症化した人数について、データがあれば市長、教育長にお伺いします。


市長

 捉えておりません。


教育長

 教育委員会に報告があった例では、重症化したケースはないものと捉えております。


吉田

 分かりました。では、次に移りたいと思います。マスクの指導についてです。
  最近もいろいろな国からの通知があるので、市の対応が非常に気になるところですが、経緯を追っていきますと、令和2年5月21日に、学校の体育の授業におけるマスク着用について、スポーツ庁政策課学校体育室が全国の教育委員会に通知を出しました。その後、令和4年5月に厚生労働省が示した方針を参考に、本市は令和4年6月2日にマスク着用の考え方を示しています。また、つい先日の6月10日には、今度は文部科学省から全国の教育委員会に対し、小中高校の体育の授業や運動部活動中はコロナ対策のマスクを外すよう児童生徒に指導することを求める通知が出ています。
 そこで、小項目2 市内小中義務教育学校、保育所及び児童センターにおける児童生徒へのマスク着用に関する指導の現状を市長と教育長にお伺いいたします。


市長

 保育所、児童センターでは、厚生労働省が示すガイドラインや通知により感染拡大防止策を実施しているところです。
 保育所におけるマスク着用については、「一律にマスクを着用することは求めていません」とされており、市においては、こうした国の考え方を各保育施設に周知し、対応を促しているところです。
 児童センターでは、防止策の基本とされるマスクの着用に関し、職員による1時間ごとの定期的な確認と適正なマスク着用の呼びかけの徹底を実施しています。また、保護者に対しては、予防効果が高いとされる不織布マスクの使用をお願いしてきたところです。


教育長

 新型コロナウイルス感染症の対応及び指導については、文部科学省から示されている「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」に基づいて行っております。
 児童生徒については、学校生活における基本的な感染対策の一つとして、マスクの着用を原則として指導しております。ただし、2メートル以上を目安とした十分な身体的距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合には、マスク着用の必要はないという指導をしております。具体的には、体育の授業や登下校時などが挙げられます。
 また、気温や暑さ指数が高く、熱中症の心配がある場合には、感染リスクよりも命に関わる危険がある熱中症予防を優先し、マスクを外すことを推奨する指導をしております。


吉田

 現在は熱中症の危険性が高まっているので、そちらの対応を優先するという考え方かと思います。
 これまでの経緯ですが、マスクを着用することが当たり前で生活の一部になってきている中で、学校や保育所で非常に不衛生な状態でマスクをしている児童生徒を見かけることがあります。マスクの清潔な管理など衛生面での確認については、どういった指導というか呼びかけを行ってきたのか、市長、教育長にお伺いいたします。


こども支援課長

 児童センターにおいては、例えばマスクを着用していない子供が来館した場合、また不衛生なマスクを着用していた場合には、児童センターに用意している不織布マスクを着用させるよう、市では指導してきたところです。


教育長

 これまでは、新型コロナの流行始めの頃は特にマスクが不足していたこともあり、多分洗って繰り返し使用していたケースや、手作りのマスクも使っていたと思います。学校で衛生状態がよくないと判断した場合は、こども支援課が答弁したように、学校で保管しているマスクを使わせるなどの対応を取ってきたものと思われます。
 それから、マスクを一時的に外して食事などをする場合に、保存するケースを民間の方から寄贈していただき、市内の小中義務教育学校の子供たちに配付しています。どの程度活用されているかというところまでは具体的に把握していませんが、やはりマスクを外したときの衛生管理などについても学校で折を見て指導しております。


吉田

 学校の児童生徒の保護者からの相談なので、教育長にお伺いします。指導の中で、マスクを長時間着用するのが難しい子供が他の学年の先生から注意されたケース、また、体育のリレーや縄跳びの際にもマスクを外せないという雰囲気がある、それから、マスクをしないと保健室に入れないと言われた、あるいはクラスメートから「マスクをしないならしゃべらないでね」と言われたなどのケースがあったと伺っております。様々な事情を持つ児童生徒が存在しているわけで、学校では、マスクの着用は強制ではなく任意あるいは協力であるという原則はしっかりと児童生徒に伝わるように教えてきたという理解でよろしいですか。


教育長

 議員御指摘のように、マスクについては、感染症予防の観点からできるだけ着用するようにこれまで指導を行ってきております。ただ、一人一人の子供の様々な課題、例えば発達障がいや自閉症の障がい、またアレルギーを持っているなど、マスクの着用が困難な児童生徒がいるのも事実で、実際学校でそういった相談を受け、柔軟に対応しております。議員から御紹介があったような事例がもしあるとすれば、一人一人の子供の実情に応じた指導を行うことについての教職員の認識不足、また、ほかの児童生徒への説明や指導が十分に行われていない可能性があると私も今感じましたので、今後さらにその考え方について各学校に周知をしていきたいと思います。


吉田

 顔に1枚の布をつけるかつけないかで何か分断されてしまっているようなことが、私は大変異常だなと思うのです。これは法的な縛りも何もないので、みんながそれぞれ自由に自分の判断でできればいいのですが、雰囲気などがあってなかなかできないと。ここで考えていただきたいのが、先ほど来出ているようにマスクを着用する効果はもちろんあります。それと同時に、リスクといいますか、影響もあるということで、次の項目に移りたいと思います。
  小項目3 児童生徒がマスクを長時間着用することによる感染予防の効果と、発達への影響について、どのように捉えているのか、市長と教育長にお伺いいたします。


市長

 一般的なマスクでは、不織布マスクが最も高い効果を持ち、ウイルス吸入量の減少や自分からのウイルス拡散を防ぐなど、長時間のマスク着用による感染予防効果は有効であると認識しております。
 一方で、マスク着用による熱中症リスクの高まりや、表情が見えにくくなることによる発達への影響が懸念されているものと認識しております。
 子供たちの発達への影響が少しでも軽減されるよう、一部の保育所では、場面に応じて透明マスクを使用した保育に取り組んでいるところです。


教育長

 児童生徒がマスクを着用することによる感染予防の効果はあるものと捉えており、特に不織布マスクの着用については有効であると認識しております。
 マスクを長時間着用することによる発達への影響については、口が見えない状態で会話をしていることから、対人関係やコミュニケーション能力を育てていく上などで若干の支障はあるものと捉えております。


吉田

 市長がおっしゃったように、3か所の市立保育所で口元が見えるマスクを使用しているということで、工夫がなされていると評価したいと思います。
 様々な研究によって、先ほど来御紹介のように、もちろんマスクをつけないよりはつけたほうが感染拡大リスクを抑えられることは明らかになっています。ただ、布マスクやウレタンマスクはウイルスが通過してしまうこと、不織布マスクでもウイルスの通過を完全には防げない、あるいは脇から漏れ出してしまうことも確かです。感染を完全に防ぐためにはN95マスクのような本当にウイルスを通さないマスクを使用しなければいけませんが、それは現実的ではありません。いずれにしても、マスクの着用に関しては、それによって完全にウイルスを封じ込めることはできないという不完全な状況であり、先ほど答弁にあったような発達への影響がリスクとしてあるのであれば、その影響をより抑えるために、新たな取組をそろそろ考えるべき段階に来ているのではないかと思うのです。例えば、保育士の口元が見えるだけではなく、子供同士でも口元を見ることによる意思疎通があると思いますが、その辺の今後の考え方について市長、教育長にお伺いしたいと思います。


市長

 これまでも、国のガイドラインや通知などに基づいて取組を進めてきた経過があります。マスクが有効で、それを使っていくという基本的な考え方に変わりはない中で、その使い方について、令和4年6月10日に文部科学省から通知が出るなどいろいろと発信されていますので、それらにしっかりと従った形で行っていきたいと思っております。その中で、どのようにしたらできる限り発達を阻害しないで感染を防ぐことが両立できるか、様々知恵を出しながら工夫を重ねていきたいと考えております。


教育長

 先ほど申し上げたように、マスクをして、結局鼻から下が見えない状態で子供同士が会話をしたり授業中に発言するという状態は、学級内での授業としてみんなで話し合って議論を深めたり追求していく上では、確実にマイナスであると思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、現時点で一定の条件の下ではマスクは外してもいいと指導していますが、子供たち自身にもマスクを外すことへの不安や抵抗感が強い子がかなりいることも事実です。
 それで、校長会、教頭会など様々な場面で話はしていますし、各学校で工夫している中で、感染予防に注意しながらできることはどんどん実施しようと。例えば、以前、授業中によく取り組んでいたグループでの話合い活動については、コロナ禍の中ではほとんど控えていましたが、最近、マスクをつけたまま、大声を出したりしないで話合いをすることは十分できるのではないかと。令和3年度の途中から、グループでの話合い、あるいは隣の子とペアの話合いなどは既に行っており、それが終わったら一斉に前を向いて全体で話合いを深めるということで進めています。
 ですから、制限はありますし、マイナスではあるのですが、その中でまずできることをやっていきたいと、そのような指導を今後とも行っていきたいと思っております。最終的には、マスクを外して、以前のように自由に会話をしたり、給食を楽しく話をしながら食べたりする学校生活が戻ればいいということも同時に考えております。


吉田

 教育長の答弁の中で、マスクを外すのが怖くなってしまった児童生徒がいるとありました。それは事実で、児童生徒に限らず大人も同様だと思うのです。ですから、長期化すればするほどこの問題は本当に難しいなと。ただ、大事なのは、それぞれが自由に自分で判断できるということだと思いますので、その観点から次の質問に移ります。
  児童生徒のマスク着脱の判断の自由についてです。
 マスク生活の長期化は、口元が見えないことによる言語やそしゃくの発達への影響ばかりでなく、自分の意思を表現する力や相手の意思を読み取る力の発達への影響、集中力の低下、耳や口周りの肌荒れ、口腔内衛生環境の悪化、免疫力の低下などが起こるという指摘があります。これらマスク生活による影響はまだ十分に認知されていない状況です。そして、これは大人にも言えることですが、日本においてマスク着用はあくまでお願いであり、法的義務はないということも理解を共有しなければならないと思います。
 究極の目的はみんなが健康に生きることであり、健康に生きるために感染症への罹患を予防する。感染症に罹患しないための一つの手段としてマスク着用がある。このような考え方であるはずですが、マスクをつけて生活するということが基本命題になってしまっているのではないか。マスク着用を続けることでもし健康を害してしまえば、本末転倒になるわけです。ただし、マスクを外す自由を認めるのであれば、マスクをつける自由も認めなければいけない。当然のことだと思います。どうしてもマスクをつけて生活したいという児童生徒がいるのならば、特段の事情がない限り、その意思は尊重されなければならないと思います。
 そこで、小項目4 長期間のマスク生活による発達への影響に関する情報を保護者に提供するとともに、マスクの着脱が心理的に強要されることのない指導に努めるべきと考えますが、市長と教育長のお考えをお伺いいたします。


市長

 これまで、発達への影響に関する情報については、国から示されたガイドラインを各施設と共有を図りながら周知に努めてまいりました。
 今般、国からマスク着用の考え方が発表されましたが、基本的な感染対策となるマスク着用の位置づけを変更するものではなく、場面に応じたマスクの着脱を例示したものとなります。
 各施設においても、これらガイドラインに基づき、子供たちの個々の発達の状況や体調等を踏まえながら、マスクの着脱が心理的に強要されることがないよう努めてまいりたいと考えております。


教育長

 これまで、マスク着用による発達への影響についての問合せ等はないことから、保護者への情報提供は特に行っておりません。
 先ほど答弁したように、学校においては基本的な感染対策の一つとしてマスクの着用を指導しておりますが、マスク着用の考え方について、児童生徒一人一人の実情に応じた十分な配慮をしてまいりたいと考えております。


吉田

 そのような考え方の中で、学校あるいは先生方の間で、人によって対応が違うといった指摘を私は聞いております。ただ、個人個人それぞれの考え方があるので、指導を全て完全に統一できないことはもちろん理解できます。国でも、今回の厚生労働省の通知と文部科学省の通知には一部食い違いが見られて、現場ではどのように指導すればいいのか。例えば、屋内で体育をする際にはマスクをつけなければいけないのか。屋外では外すよう指導をとありますが、屋内の場合までは指摘されていないので、そうしたところをいま一度市でしっかり整理して、また、私立の保育所と公立の保育所の違いもいろいろと保護者の間に混乱を生んでいるケースが聞かれるので、市としての一定の方向を示すべきではないかと思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。


市長

 先ほどお話ししたとおり、国からの通知、それからガイドラインに沿って、各施設と情報を共有しながら周知していくという考え方に変わりはありません。できる限り紛れのないようにしていきたいと思っております。


吉田

  それでは、最後に新たな感染防止対策について申し上げます。
 海外ではマスクのない生活が当たり前となってきており、日本でも、特に成長期にある児童生徒については、屋外であれ屋内であれ全員マスク着用という方針は撤廃するほうがいいという声も聞こえてきます。室内で大きな声を出さない、症状がある場合は欠席する、感染を恐れる他者を気遣うなど、時と場合に応じて自ら主体的に判断する児童生徒を育てていくことこそが大切ではないかと思います。ただし、マスクを外す人が増えれば、それだけ感染拡大のリスクは高まりますので、追加の感染対策を施すことが必要であろうと思います。
 新型コロナが確認された当初から一部の医師によって指摘されていたのが、上咽頭洗浄、つまり鼻うがいによる感染予防効果です。使用する生理食塩水は市販されていますし、煮沸して冷ました水道水に一定割合の塩を加えて自作したものでも弊害はないとされています。新型コロナウイルスは上咽頭に付着してから細胞に入り込むまで三、四日かかるとされており、1日1回の鼻うがいを毎日実践することで感染を抑えられると言われております。
 そこで、小項目5 感染症の予防や花粉症の症状緩和に効果があるとされる上咽頭洗浄(鼻うがい)について、医師や専門家による調査分析結果を収集し、家庭での感染防止対策の一つとして奨励を検討すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。


市長

 現在、本市では、新型コロナウイルス感染症予防として、国、県の取組等を参考に、正しいマスクの着用、手指消毒、換気の徹底などの基本的な感染対策のほか、抵抗力を高めるための健康管理の徹底等をお勧めしております。
 御提案をいただきました鼻うがいについては、私自身もやっておりますので、その効果を否定するものではありませんが、専用器具の適正保管や洗浄液の温度、塩分濃度、洗浄圧を間違えると鼻の粘膜や耳を傷める可能性があるとのことから、正しい理解の下、行う必要があるとも言われております。
 以上のことから、本市においては国や県に準じた予防策の奨励を行っているところです。
 予防策に関しましては様々な方法があり、年齢、個人の体質や体調によっても選択すべき方法が違うものと捉えていることから、各自自分に合った方法を見つけていただければと考えております。


吉田

 鼻うがいには最初はどうしても抵抗があります。私も一番最初は非常にびくびくしながらしたのですが、これを継続することで、風邪やインフルエンザにかかりにくくなったり花粉症が改善されるなど、いろいろといい効果があります。それを分かっている方は子供に実践させて、小学校1年生でもう既にできているという話も伺っています。
 危険性に関しては、先ほど市長がおっしゃったようなことがあることを前提にして、気をつけて行うと。特に一番気をつけなければいけないのが、鼻うがいをした直後に強く鼻をかむと、耳に水が入ってしまって中耳炎になるリスクがあるのですが、小学生でも慣れればその辺はクリアできるのではないかと思います。市で周知するかどうか、方法もいろいろとあると思いますが、例えば市長のフェイスブックで個人的に私やっていますと映像も使って発信したら、かなりインパクトがあるのではないかと思います。
 鼻うがいについて、少し時間があるのでエピソードを紹介したいと思います。これを教えてくださった医師の方は、今、仙台市の六丁の目に腎臓の専門の病院を構えておりまして、なぜ腎臓の先生から鼻うがいを聞いたかといいますと、自己免疫疾患という非常に難しい病気があると。自己免疫疾患とは、本来、外から体の中に入ってきたばい菌やウイルスは自分の免疫力でやっつけるのですが、免疫の働きに異常が生じて、腎臓を攻撃したりする。そうなるとIgA腎症など様々な腎臓の病気になって、放置しておくと透析を受けなければいけない段階にまで至る。あるいは関節に来ると関節リウマチ、これも自己免疫疾患の一つであると。また、手のひらや足の裏などに出てくる掌蹠膿疱症、あとは過敏性大腸炎など、体のあちこちに自己免疫疾患が出てくると。ただ、それを改善する方法があって、上咽頭という免疫をつかさどるところに0.5%ないし1%の希釈した塩化亜鉛の水溶液を塗ると状態が改善するということで、腎臓の医師ですから、患者をなるべく透析にまで至らせないように目指しているのだそうです。
 私は高校生の頃から、後鼻漏といって鼻水が鼻から出ないでずっと奥のほうに入っていく非常に不快な症状があって、いつも何かむずむずして嫌な感じがして、本当に集中力がなくなる。これがなければ私ももう少し勉強ができて東大に行けたのかもしれないのですが、いまだに非常に不快で、その先生にかかって治療を受けた結果、すごく改善したのです。ただ、上咽頭に異常がある人は将来的に自己免疫疾患に陥る可能性があるので気をつけてくださいと、免疫がきちんと働いているかどうか定期的に血液検査をして、あとは上咽頭への塩化亜鉛の塗布を習慣にするように言われ、今でも実践しています。
 今後、高齢化が進み医療費等が非常に増加していく中で、事前に病気を抑えることがこれからの現場でより必要となると思いますので、そういったことも知識の一つとしていただければと思います。話題が外れ過ぎてあまり長くなると失礼ですので、今日申し上げたことについてこれから取組を進めていただけるようにお願いいたしまして、私の一般質問を終了させていただきます。


本会議

議案第51号 名取市愛玩動物納骨堂条例

吉田

  施設の名称が名取市愛玩動物納骨堂です。愛玩動物とはいわゆるペットのことだと思いますが、一般的にはあまり使われない言葉ではないかと思います。愛玩の「玩」という漢字も小学校や中学校で習う漢字ではないので、書くように言われてとっさに書けるかどうか非常に難しいところですが、この名称に決定した検討の経緯についてお伺いいたします。


クリーン対策課長

 県内では仙台市と利府町が設置しており、それらの名称を参考にしながら決定しました。


吉田

 正式名称としてはいいかもしれませんが、市民の間でやり取りする際に、愛玩動物納骨堂よりは、例えばペット納骨堂やワンニャン納骨堂など、愛称を考えてみてはどうかと思いますが、そうした検討はなかったのでしょうか。


クリーン対策課長

 名称の検討はしていなかったところです。


吉田

 第6条第1項第1号について、市の区域内に住所を有する方は使用料が低いわけですが、自己申告で申請できるのでしょうか。本市のサイクルスポーツセンターの温泉のように市民だと自己申告すればこの金額になるのか、それとも証明となる書類等が必要なのか、お伺いいたします。


クリーン対策課長

 自己申告としたいと考えております。


吉田

 施設の性質上、納めた後はお参りには自由に来る形になり、焼骨の返却も行わないという規定です。となれば、誰が納めたか記録は一切取らないのですか。使用者から定期的に利用料なり管理料を頂くわけでもなく、1回納めたら終わりですから、使用料だけ支払ってもらって、あとは名前や住所、連絡先などは全く記録を残さずに終わるということでよろしいのですか。


クリーン対策課長

 納骨のときに申請書を記入してもらって許可証を発行することになりますので、書類としては申請書が残ります。


(議案第58号 令和4年度名取市一般会計補正予算)

吉田

 16、17ページの3款1項1目社会福祉総務費12節委託料で、次の13節使用料及び賃借料も関連すると思いますが、障害者台帳・障害者福祉サービスシステム連携構築委託料とあります。現状のシステムからどのように変わるのか、お伺いいたします。


社会福祉課長

 内容が変わるのではなく、既に導入しているシステムですが、4月の人事異動に伴ってシステムを扱う職員が増加した分、台数を増やすための予算を今回計上しています。


吉田

 機械を増やすということは、すなわち人手の不足が根本にあると思います。障がい者の関係のいろいろな申請の手続などで、担当が処理する際に手入力のものが結構多いと伺ったことがあるのですが、システムの今後の在り方については、その辺の改善につながるような方向性は何か見えているのでしょうか。


社会福祉課長

 今回の補正とは関係しませんが、国においてガバメントクラウドの中に障がい者の支援システムも含まれていますので、いずれそれらがうまく回るようになれば事務の軽減にもつながるのではないかと期待しております。


吉田

 20、21ページ、10款1項3目生涯学習推進費7節報償費の生涯学習推進事業報償について、今回の補正の増額の内容をお伺いいたします。


生涯学習課長

 令和4年3月16日に起きた福島県沖地震の影響で文化会館大ホールが使用不可となり中止となった、なとりまなびフェスティバルについて、振替開催を行うための講師謝礼です。


吉田

 日程などがよく分からないのですが、どのような内容からどのような内容に変更になり、そこにどのような理由で費用が生じるのか、詳細の御説明をお聞きしたいと思います。


生涯学習課長

 今回、振替開催を予定している日程については、令和4年9月3日土曜日を予定しています。内容については、当初予定していた内容を変えずにそのまま開催したいと考えており、ピアニスト辻井伸行氏の母である辻井いつ子氏を講師に招き講演していただくという内容です。


議案第62号 工事請負契約の締結)

吉田

 設計についても包括協定の契約の相手先となっていると思います。相手先が設計を行い、そこでどのぐらいの工事費がかかるか全て把握しているわけで、本市で入札に当たり工事内容の仕様をつくると思うのですが、その仕様は本市は別に作成するのでしょうか。


都市計画課長

 設計の仕様等については業者で作成し、なおかつ数量も設計業務の中で提出していただきます。それを基に市で積算システムに入力して経費等について金額を算定し、その合計の金額をもって入札に当たっているということです。


吉田

 包括協定の相手先は工事の内容が全て分かっているわけですから、設計を示す時点で既に予定価格は大体分かっているのではないかと思いますが、一体どのように市として価格の適正性を担保するのでしょうか。


都市計画課長

 数量については当然業者で設計した数量を使用します。ただし、金額等については積算システムで計算した金額を使いますし、一般の土木工事を発注する上でも、金抜きの数量、仕様は公表して入札に当たりますので、その意味では一定の数字は一般的な工事においても公表しております。


吉田

 資料2の図でお伺いしますが、宅地の部分の区画数は何区画なのか、そして、現時点での見込みの坪単価について、宅地だけでなく、産業用地のほうも併せてお伺いいたします。


都市計画課長

 住宅用地については143戸を計画しております。
 売買の単価については、現段階では近隣の状況を勘案し、住宅用地は2万円強、産業用地は1万5,000円前後で考えていますが、実際の販売においては鑑定を行って金額を決定する流れになっています。


吉田

 土地活用に係る協定書の中では、本市は、相手方の仲介によって第三者に土地を譲渡した場合、別途締結する媒介に関する契約に基づいて、販売経費として乙、つまり相手方に支払うことになっています。この別途契約する媒介に関する契約内容としては、どのぐらいの割合というか、当初1%という数字があったようですが、恐らく変更になっていると思うので、譲渡した場合、どの程度の手数料を支払う契約かお伺いします。


都市計画課長

 基準については宮城県の基準を準用するという考えで、販売価格5,000万円以下の場合は3%、5,000万円を超え10億円以下の場合は2.5%、10億円を超える場合については2%と考えております。


吉田

 この事業提案の初期の審査を行った際の審査採点表で、販売先として一般分譲住宅、住宅メーカー、企業などを予定しているかという項目には、提案書に具体的な記載がなかったということで、恐らく点数がついていないと思います。販売先として一体誰がどのような形で販売を行うかということについて具体的にどこまで詰められているのか、その後の展開をお伺いいたします。


都市計画課長

 産業用地については、オーダーメード型ということで、図面の赤線で囲んでいる整備区域の中で黒い線で宅割りがなされていますが、希望者からどの程度の用地が必要か申し出てもらい、その大きさで区画割りを行っています。住宅用地については、先ほど答弁したように今回143戸整備しますが、そのうちの113戸については、ハウスメーカーなどの業者が購入希望という形で進んでおります。


吉田

 宅地については113戸ということで、全体の整備戸数と30戸の差があり、それはまだメーカーが購入とは決まっていないわけです。実際に現在本市が所有している土地ですから、本市が直接販売はできないので、本市からメーカーに対して113戸分をまず売ると思います。そして、その中でメーカーに販売してもらうのですか、それともそこにまた包括協定先が別な形で関与することになるのでしょうか。


都市計画課長

 先ほどの仲介手数料の形では金額が発生しますが、今回113戸についてメーカーから購入希望があり、実際は5社程度から10戸、20戸といった希望ですが、売却完了後はメーカーが地区計画の内容に沿った計画で進めることになります。


議案第63号 令和4年度名取市一般会計補正予算)

吉田

 8、9ページ、3款3項1目児童福祉総務費7節報償費の赤ちゃん応援お祝い金についてです。先ほどの御説明で1人3万円、また補足資料で4月2日以降に誕生したお子さんが対象ということでした。お祝い金という名称ですが、この事業の主たる目的は一体どこに置いているのでしょうか。いわゆる経済対策か、それとも子供を産み育てやすくすることが主眼なのか、そのあたりの考え方を確認させてください。


こども支援課長

 第一義的には、先ほど市長からの提案理由にありましたとおり、新生児の保護者に対する生活応援と経済の活性化を図るためのお祝い金となります。令和3年度では、新生児が誕生した世帯に対して、名取市商工会発行のはなもも商品券を3万円分支給しました。今回、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を利用して提案させていただいたわけですが、あくまでその後継の子育て応援のお祝い金と理解していただきたいと思います。


吉田

 受け取る側も商品券よりは現金のほうがいろいろと使えるので、考え方についてはいい方向に変わったと思います。
 今後誕生するお子さんも対象になると思うのですが、期限はいつまでなのでしょうか。年度内か、それとも人数が上限に達した時点で打ち切るのか、期限の考え方についてお伺いいたします。


こども支援課長

 支給対象については、令和4年4月2日から令和5年4月1日までに生まれた子供の保護者に対して交付します。このお祝い金についても今後要綱等を作成して事務を進めていきますが、子ども医療費助成の関係の枠組みを利用するため、基本的には対象者が市で把握できますので、プッシュ型で支給していきます。700人分を見込んでいるため、ほぼ100%支給できるのではないかと考えおります。


議会案第3号 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求める意見書

民生教育常任委員会委員長

 ただいま議題となっております議会案第3号…について、民生教育常任委員会における審査の経過及びその結果について御報告申し上げます。
 本委員会は、去る6月9日の本会議において付託されました本件議会案…について、同日及び6月13日に委員会を開催し、慎重に審査を進めてまいりました。
 …議会案第3号 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求める意見書の審査内容について申し上げます。
 本意見書(案)については、障がい者虐待防止のさらなる推進のため、趣旨に賛同するとの認識で一致しましたが、具体的な病院名を出すのは、経営者等も替わり、改善に向けて努力している病院に不利益が生じる可能性もあるため「神戸市内の精神科病院」と修正すべきとする意見、本文中「本当の意味で」の文言は人によって解釈が異なるので削除すべきとする意見などがあり、その後、一部委員より修正案が提出されました。その他、文言の整理を含めた修正箇所につきましては、原案の案文中アンダーラインで示した箇所を括弧書きのとおり削除、修正しておりますが、あくまでも提出された意見書の趣旨を尊重した内容となっております。
 採決の結果、議会案第3号 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求める意見書につきましては、全会一致により修正案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 …
 以上、本委員会に付託されました議会案についての審査経過並びに結果の報告といたします。


板橋美保議員

 5番板橋美保です。ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、議会案第3号 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の改正を求める意見書の委員会修正案に対する賛成討論をさせていただきます。
 厚生労働省、令和2年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式調査研究事業報告書によると、令和元年度の通報義務に該当しない虐待の相談・通報件数は全国で357件に上りました。また、令和2年4月に厚生労働省が実施した調査では、平成27年度から令和元年度の5年間に精神科医療機関における虐待が疑われる事例は全国で72件起きていたことが分かるなど、看過できない障がい者の虐待事件はいまだに発生していると考えられます。
 現行の法律では、虐待発見時の行政機関への通報義務が養護者、障害者福祉施設従事者など及び使用者に課せられている一方、医療機関内での虐待については、発見者による行政機関への通報義務の対象外となっています。障がい者自身の心身の悪化をさらに招くような障がい者に対する差別や人権侵害を根絶させていくためにも、障害者福祉施設等と同様に、医療機関における虐待発見時の行政機関への通報義務が必要だと考えます。
 したがって、国における法律改正が喫緊の課題であり、本意見書の提出に賛成いたします。
 以上、賛成討論とさせていただきます。