令和5年第5回定例会(12月)


本会議

(議案第87号 名取市職員定数条例の一部を改正する条例)

吉田

 率直に、やっとかという気持ちです。消防職員の救急出動が非常に増えている中で、やっとこれで少しは負担の軽減につながるのかという思いです。ただ、今回提案されているのは、先ほどの説明ですと救急車配備ということで、1台救急車が増えることは大いに評価したいと思うのですが、その一方で、前にも一般質問で取り上げたのですが、職員の育児休暇、年次有給休暇の取得などについても、それ以外の市長部局とかなり差があって、令和4年度消防はゼロ%だったという数字も聞いております。
 今回この定数引上げによって、育児休暇や年休の取得等についてはどのくらい改善される見込みなのか、伺います。


政策企画課長

 今回の定数改正に当たっては、消防と調整を行いまして、手倉田出張所の開所に伴い救急車を本署から1台手倉田出張所へ移すための増員、それと併せて消防職員の育児休暇、年次有給休暇の取得が可能となる体制を構築できることを目指して、増員を図っているものです。
 このことから、今回定数増により、消防職員のワーク・ライフ・バランスについては改善されるものと捉えております。


吉田

 数が増えればその分改善されるのは当然で、そのための改正だと思います。ただ、人数が増えても、これからの出動件数にしっかり対応できる形での定数増なのか、もう少し具体的に、この定数増によって育児休暇取得率を何%くらいまで目指したいとか、そういう数字をお持ちであれば伺います。


消防本部総務課長

 今回の定数増に合わせて業務内容の見直しのほか、出動体制及び当直体制を効率的に運用できるように検討していこうと考えております。
 育児休暇等を希望する職員の希望に添える体制づくり、こういったものに努めていきたいと考えております。数字としてはまだ捉えておりません。


吉田

 今、定員管理計画という言葉が出たと思いますが、令和4年3月策定の定員管理計画に基づいてということで、増員はなかなか難しいという話から一転して今回定数も増となったのですが、そうなると、この定員管理計画とのそごが生じてしまっていると思います。今後の改定、消防の部分に限ってで結構ですので、改定の進め方がどういう方向性でいくのかを伺います。


政策企画課長

 現在の定員管理計画策定時においては、手倉田出張所の開所に伴う増員は数字に含めていなかったところです。ただ、計画の中に、計画期間内の社会情勢の変化等に応じ柔軟に対応するとしておりましたので、今回の消防職員の変更については計画の改定は行わずに、計画期間の最終年度となる令和8年度に次期計画に向けての改定を図っていきたいと考えております。


吉田

 それが通じるのであれば、これからも社会情勢の変化で、もう少し増やすことも運用としては可能なわけですね。
 というのは、この増員で十分かどうかということと、もう一つ少し振り返ってみると、令和5年度の採用試験がたしか新卒者10名を採ったと思うのです。記憶違いだったら申し訳ないのですが、ただその前の年度はゼロ名だったので、それなら5名ずつ計画的に採用したほうがよかったのではないか。後から言うのは不適切かもしれませんが、素人考えではそう思ってしまうのです。今後も、今回10名増やしたから、来年はまたゼロ、その次に必要になったらまた増やすということでは、その人たちが退職する時期に大きなしわ寄せが来てしまうことになりますので、もっと長期的な計画を持って定めてほしいと思います。そこの考え方についてはいかがでしょうか。


企画部長

 職員の採用の基となる定員管理計画については、今、議員から御指摘があったとおり、将来的な動向なども踏まえて計画すべきものであることは承知しているところです。
 ただ、職員の採用については、当然財政負担も伴いますので、むやみに増やすこともできないところです。その中で、必要なところに必要な人数を適切に配置していくことが必要だろうと思っております。
 これまで消防の職員定数については、業務の拡大等に伴って、市長部局の定数に比べるとかなり高い割合で増やしてきた経過があります。今後も社会情勢を鑑みて、今般は手倉田出張所への1台の配備替えと、育児休暇等の休暇取得というところもありましたので、定員管理計画の中の柔軟に対応するところを使って対応させていただいたということです。御理解をいただければと思います。


(議案第106号 指定管理者の指定)

吉田

 指定管理者についてというよりも、その施設に関して伺います。
 図書館ができたことで、そちらにお客さんを持っていかれてがらがらになるかと思ったら、意外にそうでもなく、図書館の自習スペースが学生で埋まっているときはコミュニティプラザにまで流れてきて、試験前は学生でいっぱいの状況が見られて、やはり必要な施設だと実感しています。そういう中で、以前、特にコミュニティプラザの部分については、施設のありようを変更する方向で検討されると聞いたのですが、指定管理を今後も続けていく上で、現在の取組の途中経過を伺います。


都市開発課長

 施設の利活用についてです。令和4年度に名取駅東地区にぎわい再生計画を策定した中で、学生や駅利用者が集まる施設にしたいということで、今考えているのは2階のウイングプラザで飲食、軽食を可能にして、学生などが気軽に集まれるような場にしたいということ。また、施設のレイアウト、椅子の形状や、1人で来ても気軽に座れるようなカウンターを段階的に考えているところです。あわせて、ゆっくりくつろげるように、例えばカップコーヒーを販売するなどの取組も考えております。


吉田

 その方向性は大変興味深いというか、とても楽しみだと思います。仮に飲食スペースを設ける際に、持ち込みを可とするのか、コーヒーは店員が入れてくれるのか分かりませんが、現在のまちづくり株式会社の体制で、今後3年間の指定管理期間の間にそのあたりの変更があった際に、現在の職員の体制でそれが可能かどうか懸念するのですが、その考え方はいかがでしょうか。


都市開発課長

 運営の仕方ですが、カップコーヒーは自動販売機を考えておりますので、まちづくり会社の職員がコーヒーを入れることは考えておりません。


(議会案第7号 最低賃金の改善と中小企業支援の拡充、全国一律最低賃金制度の確立を求める意見書)

吉田

 意見書の趣旨そのものは、非常に今この時期、重要な大事なものだという認識です。特に、労働者の所得改善、向上という意味で最低賃金を引き上げることや、日本の経済を支えている中小企業の支援をもっと拡充するということは、国としての非常に重要な課題で、地方としても同じように大事な課題だと思います。
 ただ、この意見書の中で最終的に3つの項目を求めることになっているのですが、その2番目の全国一律最低賃金制度についてがいま一つ理解しづらいところで、議会案の4ページ、下から5行目、6行目あたりに「人口減少を食い止めるためにも全国一律の最低賃金制度の早期の確立が必要」と書いてあります。ここに制度と書いてある以上は、何らかの仕組みというものがあるのだと思うのですが、全国一律最低賃金制度というものは現状、どこがどのように導入に向けて確立に向けて進めているのか、確認させてください。


小野寺美穂議員

 どのようにその制度の確立に向けて進められているのかということ、もう少し詳細に言っていただけますか。


吉田

 制度というからには何か根拠となる法律がある、もしそれがないのであればそういうものをつくっていくことで制度が構築されていくという認識です。最低賃金を全国一律にする制度、全国一律にするためには国で何らかの縛りをかけなければいけないと思うのですが、それがここに書かれているように、本当に人口減少を食い止めることにつながるのかどうかの検討なども、私のほうでは今まで一度も把握したことがありません。むしろ全国で差があることによって自由な競争が担保されている側面もあるわけですから、一概に人口減少を食い止めるための全国一律最低賃金制度とは言えないのではないかと思うのですが、提出者の御見解を確認したいと思います。


小野寺美穂議員

 そのおっしゃり方ですと、それは見解の相違ということになります。
 その上に書いてあるように、やはり大都市のほうが最低賃金が高いとなりますと、地域間の賃金格差というのが確実にあるわけで、そこを是正することによって人口減少を食い止める一手になるのではないかという理解です。
 制度の確立というか、最低賃金制度というのが最低賃金法に基づいて国が決めている制度なので、その最低賃金法の国が賃金の最低限度を定めるというその制度をこのように改善すべきという内容の意見書であります。


一般質問

吉田

 10番吉田 良です。ただいま議長から発言のお許しをいただきましたので、事前の通告に従って一般質問を行います。
 初めに大項目1 学校法人に対する固定資産税の賦課徴収についてです。
 固定資産税は、土地、家屋及び償却資産に係る税金で、固定資産の所有者がその資産価値に応じて算定された税額を固定資産の所在する市町村に納めることとされています。地方税法第348条には固定資産税の非課税の範囲が定められており、第1項には、国、都道府県、市町村等に対して固定資産税を課することができないとして人的非課税が定められています。また、第2項には用途による非課税が定められています。第2項は第1号から第45号までと多岐にわたって非課税となる固定資産の種類を掲げていますが、その中で第9号に学校法人等が所有する学校施設への非課税の規定があります。学校法人等の定義を含む大変長い条文ですが、これを要約すると、いわゆる学校法人等が設置する寄宿舎と直接保育または教育の用に供する固定資産に対しては固定資産税を課することができないという内容です。
 振り返りますと令和5年9月定例会の決算審査の際、本市には固定資産税を非課税とする学校法人が7法人、所有している土地は54筆あるとの答弁がありました。私は討論において、教育活動への利用の状況を把握し、個別に課税対象とするか否かを判断すべきことを指摘しました。
 間もなく年が変わります。固定資産税の賦課期日は1月1日であるため、この12月議会で令和6年度の対応の方向性を確認したいと思います。
 まずは、学校法人側が非課税規定の適用を受けるための手続について確認させていただきます。
 小項目1 地方税法第348条第2項第9号の規定の適用を受ける者に対し、申告書や事実証明書の提出等、どのような手続を求めているのか、市長にお伺いします。


市長

 地方税法第348条第2項第9号の規定の適用を受ける際の手続については、名取市市税条例第56条の規定に基づき、非課税申告書の提出を求めているものです。
 提出していただく非課税申告書には、土地については所在地、地目及び地積並びにその用途を、家屋については所在地、種類、構造及び床面積並びにその用途を記載していただくほか、それぞれ直接教育の用に供した時期等を記載していただいております。
 その際、非課税申告書の記載事項を確認できる書類として、登記簿事項証明書や用途が分かる平面図などの関係書類の添付もお願いしているところです。


吉田

 本市の市税条例第56条には今おっしゃったように第1号から第6号まで規定がありまして、市長に非課税申告書を提出することが求められています。仙台市では非課税申告書の様式をホームページで公開し、事実証明書を添えて提出することとされているのを確認しました。本市でも事実証明書に近い内容のものも含むということでしたが、その提出を求めているものについて、具体的に説明いただきたいと思います。


税務課長

 登記簿事項証明書、用途が分かる平面図以外ですと、活動が分かる写真、建物の立面図及び平面図、地籍図、事業計画、事業認可証などの提出を求めています。


吉田

 いろいろあるということが分かりました。
 今聞いた中には、文部科学大臣や都道府県知事、いわゆる所轄庁による学校設置認可を受けていることが分かる証明書が含まれていませんが、提出の必要はないのでしょうか。


税務課長

 新規に申請する際については、提出をお願いしていることもあります。


吉田

 こともあるではなくて、必要かどうかということです。提出されればきちんと確認できますから、必ず提出をして認可を得ていることを確認しなければいけないと思いますが、その提出は任意でしょうか。


税務課長

 求めてはいます。ただし、認可が遅れる場合もありますので、申請に合わせてということではありません。


吉田

 必要となる書類がそろった後、非課税とするかどうかの審査が行われると思いますが、その審査の進め方について、内容や日数など一般的な状況を伺います。


税務課長

 日数は定めていませんが、提出いただいた書類を基に内容を確認しまして、内容が確認でき次第、非課税の取扱いをしています。


吉田

 非課税とすることの最終決定権を持っておられるのはどなたでしょうか。


税務課長

 納税通知書を発行している市長となります。


吉田

 次に移ります。学校法人の教育活動の状況把握についてです。
 小項目2 非課税規定の適用対象となる固定資産であるかどうかの判断の根拠となる、各学校法人の教育活動に関する状況把握の現状を市長にお伺いします。


市長

 地方税法第348条第2項第9号の学校法人等の非課税規定の適用については、当該固定資産が学校法人等として直接教育の用に供する固定資産であること、または、学校法人等がその設置する寄宿舎で学校教育法第1条の学校において直接その用に供する固定資産であることが定められております。
 本市において、非課税申告書の提出の際、用途等を確認できる関係書類の添付をお願いしており、その内容を基に現地調査を行い、教育活動状況を把握しております。


吉田

 法律が定めていますように、非課税の要件は、その固定資産が直接保育または教育の用に供することです。もし、賦課期日において直接保育または教育の用に供すると認められない場合は、その土地の非課税規定の適用はなくなるのが一般的な考え方だと思います。例えば、ソーラーパネルによる売電など明らかに営利のために利用されている固定資産は課税対象となります。また、職員、教職員や学生が利用する駐車場及び駐輪場、交流会室、食堂や売店、ATMや自動販売機の設置スペースなどは、教育活動が行われると解されないため課税対象となりやすいと言われています。同じ建物を課税資産と非課税資産とで共用している場合は、それぞれ占用部分の面積比でトイレ等の共用部分を案分し課税面積が決められるということです。
 本市の市税条例第59条に、非課税の規定の適用を受けなくなった固定資産についての規定があります。この場合、固定資産の所有者が申告書を提出することとされていますが、今申し上げたようないろいろな理由によって固定資産税の非課税が外れることについて、ここ数年でのその申告書の提出の有無をお伺いします。


税務課長

 今まで提出はない状況です。


吉田

 今までないということでした。
 少し考えていただきたいのですが、賦課期日1月1日というのは、通常ほとんど全て私立学校は冬季休業中と考えられます。元日は祝日でもあり、授業など教育活動は行われていないと思いますが、もちろんそのような固定資産でも非課税にしています。限られた日数でしかない休業日がたまたま1月1日ということで、それが直接教育の用に供していないということは言えないと、私もそう思います。しかし、逆に、年のうちの数日間使っただけで、それを教育の用に直接供したということも無理があるのではないかと思います。その賦課期日における何を根拠として直接保育または教育の用に供されていると判断しているのか。考え方をお伺いします。


税務課長

 休業日もありますが、常時、児童生徒がいること。あとは、建物や施設ができていても募集中ということもあります。そういう場合は非課税の判断をしています。


吉田

 当然、休業中ですから、1月1日時点で常時生徒がいる状態ではないですよね。たまたま1月1日は祝日だが、いつでも生徒がいて常時教育の用に供されているということの確認は取っているのでしょうか。


税務課長

 学校教育の目的として教育活動が常態化していると判断しています。あとは写真などを相手方にお願いしています。


吉田

 全てのケースにおいてそのように確認されているのだと今の御答弁からは受け止めました。
 それでは次に移ります。本市における学校法人の現状について確認いたします。
 先ほども申し上げましたが、令和4年度固定資産税を非課税とする学校法人は本市に7法人あったとのことでした。令和5年度についてより詳しく確認をしたいと思います。
 小項目3 令和5年度に、非課税規定の適用を受けている全ての学校法人名を市長に伺います。


市長

 非課税規定の適用を受けた学校法人名については、地方税法第22条において、納税者の秘密に属する事項とされておりますので、答弁は差し控えさせていただきます。


吉田

 固定資産税を課税している学校法人はあるのでしょうか。


税務課長

 課税している学校法人はあります。


吉田

 課税している学校法人があるということですが、それも地方税法第22条の規定で学校法人名や場所について答弁できないということですか。


税務課長

 お答えできません。


吉田

 私も勉強不足で、地方税法第22条というのは今初めて聞いたのですが、根拠法令の地方税法第22条の本文を読み上げてください。


税務課長

 地方税法第22条秘密漏えいに関する罪。地方税に関する調査(不服申立てに係る事件の審理のための調査及び地方税の犯則事件の調査を含む。)若しくは租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の規定に基づいて行う情報の提供のための調査に関する事務又は地方税の徴収に関する事務に従事している者又は従事していた者は、これらの事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は窃用した場合においては、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。


吉田

 どの学校法人が課税で、どの学校法人が非課税かは、漏えいしてはいけない秘密に当たるということですね。


税務課長

 議員お見込みのとおりです。


吉田

 では、別な観点からお伺いします。
 次に移ります。学校教育法第4条には、私立学校の設置、廃止等の場合、大学は文部科学大臣、それ以外の学校は都道府県知事の認可を受けること等が定められています。県は、この認可を受けた私立学校について毎年、宮城県私立学校名簿に記載して公表しています。記載される項目は、学校名、学校法人名、学校所在地などです。最新版は令和5年10月1日に発行されたもので、内容は同年5月1日時点のものです。
 さて、本市には、固定資産税を非課税とする学校法人が7法人あるとのことですが、宮城県私立学校名簿を見ると、本市内を学校所在地とする学校法人は4法人しか見当たりません。差引き3法人については、もし学校施設として教育活動が実施されていない場合、非課税規定の適用を外さなければならなくなる可能性があると思います。
 そこで、小項目4 宮城県総務部私学・公益法人課が発行する宮城県私立学校名簿に、本市内に学校が所在することが記載されていない学校法人について、教育活動の実施状況を調査し、活動の実態が認められない場合は課税すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。


市長

 学校法人に対する固定資産税の課税・非課税の判断につきましては、本市内に学校が所在しているか、所在していないかの別に問わず、先ほど御答弁申し上げましたとおり、学校法人等から非課税申告書等の提出をもって判断しております。
 仮に学校法人等に対する固定資産税の非課税の適用について、疑義が生じた場合は、相手先からの現状についての聞き取りや実地調査を行うなど教育活動の実施状況を的確に把握し、適切な賦課徴収につなげてまいりたいと考えております。


吉田

 その聞き取りや調査が適切に行われているのかどうかが、今ここで問われるところだと思います。法人名を言えないことは分かりました。
 では、記載されていない3法人の固定資産の所在地についてお伺いします。


税務課長

 先ほどの御質問ですが、市長の答弁のとおり、地方税法第22条に該当しますので、答弁は控えさせていただきます。


吉田

 地方税法第22条のどこに引っかかるのですか。地方税法第22条の法律の趣旨は学校法人を守るためだと思うのですが、その所在地が地方税法第22条の秘密に当たるとは、根拠として私は納得できません。説明を求めます。


税務課長

 所在をお話ししますと、学校法人の名称が特定できますので、地方税法第22条に該当するものとして差し控えさせていただきます。


吉田

 答弁を差し控えるって国会ではないのですから、誠実に答えてもらいたいです。県が公表している宮城県私立学校名簿にはそもそも記載されていないのです。ですから、所在地をここで答弁したからといって、学校法人とつながる情報はないはずです。所在地を話すと学校法人が特定できるというのは、何を根拠におっしゃっているのですか。


税務課長

 先ほどから3法人となっていますので、場所をお話しすると学校法人名が特定できると思っています。


吉田

 どうやって特定できるのかということです。所在地からその所有者をどうやって調べることができるのですか。


税務課長

 現地に赴いて聞き取りなどすれば、学校法人の特定ができると思います。


吉田

 そうでしょうね。看板がかかっていたりしますから、そういうことはあり得ると思います。
 その3法人、宮城県私立学校名簿に載っていないということは、県の認可ではないということです。県に届出をされている施設ではないと。これは県にも私個人的に確認をしました。ただ、それを非課税と判断できるかどうかは、直接教育の用云々ということに関わってくると思います。本市に宮城県私立学校名簿に載っていない学校法人があることは把握されていましたか。


税務課長

 宮城県私立学校名簿の中身については、税務課としては確認していません。


吉田

 普通に考えたら、学校法人として教育活動が行われているのか疑問を持たざるを得ないのですが、その認識についてはいかがでしょうか。


税務課長

 今回の学校法人に対する非課税ですが、所在のいかんにかかわらず全てを含むと解されています。基本、非課税申告書を提出いただいた際は、写真等を頂いて確認しています。


吉田

 どこに課税されていて、どこに課税されていないのか、今その十分なデータがないわけですから、こちらとしても質問の仕方が非常に厳しい状況です。思い当たるところは何か所かあるのですが、具体名を出してしまってはまずいと思いますので、今それは差し控えたいと思います。
 固定資産税を学校法人の固定資産に課すかどうかについて、御存じだと思うのですが、ここで過去にあった事案について紹介させていただきます。
 ある学校法人が幼稚園の移転のために取得した東京都練馬区に所在する土地についてなされた固定資産税等の賦課決定処分に対して、その土地は直接保育または教育の用に供する固定資産に該当するとして、その取消しを求める裁判が起こされたことがあります。東京地裁は、この土地は平成27年1月1日の賦課期日時点で新園舎の建築工事中であり、保育活動または教育活動が実施されることが常態とされている固定資産に該当するとは認められず、この土地において行事が行われたことや園児らが散歩の一環として時折土地に行ったことは、いずれも一時的な保育活動または教育活動が行われていたことを示すものにすぎないなどの理由から、原告、学校法人側の訴えを退けました。これが平成29年1月24日の判決です。
 同様に、病院及び臨床実習施設の用に供するために東京都港区に所在する土地を購入した学校法人である原告が、土地は賦課期日において教育施設の建築工事中であり、非課税の対象となる直接保育または教育の用に供する固定資産に該当するとして固定資産税等の賦課決定処分の取消しを求めた事案でも、原告の請求は棄却されています。こちらは東京地裁、平成25年2月6日の判決です。
 これらの事案は、学校法人側としては非常に厳しい内容だと思います。工事が終わって施設が完成すれば固定資産税は非課税とされると。しかし、賦課期日にたまたま工事中だったために課税される。これでは訴えたくなる気持ちも同情できます。ただ、逆に自治体側としては、こうした訴えられるリスクも想定したはずですが、それでも賦課を決定し、裁判所にも認められました。これはしっかり責任を果たしたと言えると思います。
 平成29年の判決をさらに詳しく見ますと、地方税法第348条第2項第9号は、現に遊技や食事その他学校教育の目的とする保育活動または教育活動が実施されることが常態とされている固定資産をいい、常態とは間接または一時的にそのような活動の用に供されることがあるというのでは足りないと解するのが相当とされます。
 この判決の部分を見ますと、本市内で、学校法人が所有している固定資産ですが、学校教育が常態的に行われていないのではないかと疑われるものがあると思います。そうした部分の非課税措置については、この過去の判例などを参考にして見直す必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


税務課長

 非課税申告の際の判断基準ですが、教育科目の学習その他学校教育の目的とする教育活動が行われることが常態化されているということで判断し、非課税にしました。


吉田

 常態の基準はどこに置いているのでしょうか。


税務課長

 学校教育の目的とするもの、例えば、校舎、体育館、校庭など教育活動で使用できる施設、固定資産を有するものと解釈しています。その中で、継続的であるか否かは問わないところです。


吉田

 常態ではあるが継続ではないということですか。常態と継続は、私の頭の中ではほぼ同義語なのですが、常態ではあるが継続ではないという事例を教えてください。


税務課長

 施設が常態化しているという意味合いで、使用については継続を問わないという内容です。


吉田

 ということは、学校の校舎や校庭がしっかり備わっていれば、四六時中そこで教育活動が行われていなくても非課税と認めるということですか。


税務課長

 議員お見込みのとおりです。


吉田

 電気や水道など、校舎あるいは校庭が使える状態かどうかは、必ず確認していますか。


税務課長

 全部が備わっているということではないですが、使える状態ということで確認しています。


吉田

 どこの学校法人が持っている土地かは、そこに看板が出ていると私言いましたが、常に鉄格子が固く閉まっていて、監視カメラがついているような状況にさえ見えます。しかも、そこの学校法人は、本部は宮城県ではなく別な県にあるというようなことですから、別の県の生徒たちが本市まで来て教育活動を行っていなければおかしいと思うのですが、そこの把握はしていますか。


税務課長

 教育活動の状態が分からない場合は写真で確認しています。


吉田

 写真というのは、そこでみんなでスポーツしましたよとか、記念撮影したりとか、そういうことですか。写真が教育の状況を把握するに足りるだけの材料となるかは非常に疑わしいと思います。
 場所の特定などするとなかなか難しいことになるので、これ以上私もどうやって進めればいいか今考えているところですが、まず、次の小項目5に移ります。
 小項目5 これまで非課税としてきた取扱いについても、適切な対応であったのか検証すべきについて、市長にお伺いします。


市長

 固定資産税の非課税の規定の適用を受けた者が、当該固定資産の用途を変更したため固定資産税の非課税の規定の適用がなくなる場合には、市税条例第59条の規定により、その所有者は、その旨を市長に申告しなければならないこととされております。
 したがいまして、原則、そのようなケースが生じない限り、当該固定資産は、直接教育の用に供する固定資産として継続的に使用されているものと捉えておりますので、特に取扱いに問題があるとは考えておりません。


吉田

 一度非課税の申告がされれば、あとは漫然と非課税扱いを続けていくとしか聞こえません。実際にその写真も、活動していると言えるかどうか。非常にその部分は疑問でしかありません。
 令和6年1月1日賦課期日を迎えますが、名取市市税条例第59条に基づく非課税が外れるという申告がなければ、行政側としては非課税扱いを続けるということでよろしいですか。


市長

 非課税の適用に疑義が生じた場合には、相手先からの聞き取り、また実地視察も含めて対応していくことで、適正に賦課徴収をしていきたいと考えています。


吉田

 その疑義は誰が申し立てるのですか。


市長

 今回、議員が議場という公の場で、いずれの学校かは分かりませんが、疑義があると発言されていますので、全ての学校法人について調査をしたいと考えています。


吉田

 全てだとかなり広くなると思います。私は県から認可を受けている4つの法人は少なくとも問題ないと思います。3法人といっても、恐らくいろいろな事情があって、それは市の判断ですから、必ずではなくて、課税をしない範囲を少し広めてというのは確かに分からないことではないのです。しかし、あまりにも長い期間、本当に使われているかどうか分からないような状況が続いている場所については、しっかり調査をお願いします。12月も入って半ばです。1月1日まであまり日数もありません。しかも年末年始のお休みも入りますから。今からその部分について調査するのでしょうか。それとも、令和5年に入ってからこれまで調査されてきているのでしょうか。


税務課長

 固定資産税の課税については、年1回実地調査をすることとなっています。それに基づいて確認をして対応したいと思います。
 先ほどお話ししました実地調査ですが、年1回、市内の全域を確認しています。航空写真や一部は農地転用の資料を用いて確認しています。個別のスポットの確認でないことは事実です。


吉田

 これは当然です。54筆もあるのですから、54筆全部回ってくださいということではありません。それは無理です。そんなことを職員に求めるつもりはありません。
 ただ、過去の議事録を確認したら、学校法人が所有する固定資産について答弁がありました。今私が申し上げようとしているところです。令和2年9月定例会における財務常任委員会の決算審査の中で、毎日の利用はないようですが年に何回か学校の用に供しているということで非課税として取り扱っているという答弁が当時の税務課長からありました。この答弁を根拠にして、こちらの施設あるいは学校法人についてのお話をこれ以上進めることはできないでしょうか。令和2年9月の決算審査について確認してもらえますか。


議長

 先ほどの答弁の中で、利用している期間を問題にしているのではないということ。それが常態化していることが条件で、利用している期間の長さは固定資産税の非課税の取扱いには関係ないということが先ほどの答弁で出ました。今の質疑は、利用回数が少ないことを言っていますよね。


吉田

 そうではなくて。どこの学校法人か、過去の議事録の中で書かれているのですが。


議長

 法人名は出ていないですよね。


吉田

 法人名ではないですか。所在地については、片仮名の所在地ですが過去の議事録に載っています。今それで話を進めてはまずいですか。


議長

 何回も言っていますが、地方税法上できないということです。


吉田

 過去にした答弁の部分は違法ということになってしまうのではないですか。


税務課長

 先ほどの御質問については、改めて地方税法第22条により、回答は差し控えさせていただきます。
 なお、市長が答弁したとおり、学校法人等に対する固定資産税の非課税の適用について疑義が生じた場合は、相手先から現状についての聞き取りや実地調査を行うなど学校活動の実施状況を的確に把握し、適切な課税徴収につなげていきたいと考えています。


吉田

 近い将来には適切にということは、今プラスの方向で私は捉えました。プラスというのは、課税することも視野に入れなければいけないということだと思います。
 先ほどソーラーパネルと言いましたが、仮に、学校法人の所有している土地あるいは固定資産が営利活動などに使われた場合は課税対象になります。今まで学校法人のものとして非課税だった土地が、行政からの決定によって課税対象となったときに、その固定資産が別なことに転用されることも私は心配です。そこまで考えていただきたい。例えば、あの広大な土地に公共事業の残土砂が全部運ばれてきたりなど、課税することになればそれも許されるとなりかねないので、その後のいろいろな影響なども想定しながら、次なる対応や措置に向けて検討を進めてもらいたいと思います。
 それでは、次の質問事項に移ります。大項目2 分煙施設の整備についてです。
 健康増進法第25条に、国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙の防止に必要な環境の整備その他の受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならないこととされており、自治体が積極的に分煙施設の整備に取り組むことが求められています。
 本市議会では、直近で平成28年6月定例会と平成29年12月定例会において、今は引退されました大沼宗彦議員から、受動喫煙を防止するための公共施設へのハウス型喫煙所の設置について一般質問が行われました。佐々木市長と山田市長のお二人とも答弁はほとんど同じ内容で、本市としては、屋内での全面禁煙の実施により分煙を図っていくこととしており、ハウス型喫煙所は恐らく分煙施設のことだと思いますが、これを設置する考えはないというものでした。
 その後、平成30年に法律が一部改正され、令和元年7月1日から、行政機関の庁舎等、いわゆる第一種施設は敷地内禁煙が義務づけられました。また、令和2年度以降の税制改正大綱における記載を踏まえ、毎年度の総務省自治税務局事務連絡において、望まない受動喫煙の防止及び地方のたばこ税の継続的かつ安定的な確保のため、分煙施設の一層の整備を図ることが要請されてきました。
 このように大沼議員が質問された当時とは状況が変わっています。大沼議員に頼まれたわけではありませんが、私自身も本市の課題としていつも頭にありました。私は愛煙家ではありませんが、愛煙家の方の立場も十分に尊重して、誰もが住みやすいまちとなるよう提言したいと思います。
 まず、確認させていただきます。小項目1 市が設置する主な喫煙所の場所を市長にお伺いします。


市長

 市が設置している主な喫煙所の場所については、市役所庁舎、文化会館、サイクルスポーツセンター、名取駅東口及び西口駅前広場、館腰駅東口及び西口駅前広場などとなっております。


吉田

 喫煙所を設置する際あるいは撤去する際の基準について、どのような考え方かお伺いします。


財政課長

 全般的なことになりますが、屋外の喫煙所を設ける場合は、建物の出入口付近などを避け、人通りの少ない場所を選んで設置しています。撤去、移動する際も同様に、そういった内容を踏まえて行っています。


吉田

 屋外に何か所かということで、今その設置、撤去、移動等の基準もお話しいただきました。
 では、次に移ります。受動喫煙対策の現状確認です。
 小項目2 市が設置する喫煙所における受動喫煙対策は、どのように行われているのか、市長にお伺いします。


市長

 健康増進法第25条では、国及び地方公共団体は、受動喫煙を防止するために必要な措置を講じるよう努めることになっております。
 このことから、屋外に設置している喫煙所につきましては、施設の出入口付近や利用者が多く集まる場所を避け、望まない受動喫煙の防止に取り組んでいるところです。


吉田

 これまで屋外の喫煙所付近で、煙が来るとか臭いなどの苦情が寄せられたことは把握されていますか。


財政課長

 市庁舎と法務局庁舎の喫煙所についてお答えします。
 市庁舎については、屋上と建物の北側屋外に設けていますが、そういった苦情等々お寄せいただいたことはありません。法務局については敷地内全面禁煙となっていますので、同様にそういった御意見は頂戴していません。


市長

 直接的な要望かどうかというのは別にして、私も駅を利用しておりますので、やはりたばこの煙が気になるようなことはありました。


吉田

 市庁舎の場合は特に苦情はないということです。そして、今、市長から駅周辺ということでしたが、駅に限らず庁舎以外の屋外喫煙所でも苦情はなかったということですか。


土木課長

 駅前広場に関しては、名取駅では平成30年からこれまでの間に7件の苦情がありました。内容は、臭いなどです。館腰駅についても1件苦情がありました。


吉田

 確かに苦情は少ないとはいえあるのです。その際には、恐らく移動や撤去となると思いますが、苦情を受けた後どういう対応を取ったのか、伺います。


土木課長

 名取駅については東西2か所ずつ喫煙所がありましたが、そのような御意見を受けて平成28年に東1か所、西1か所に集約した経緯はあります。


吉田

 今できる対策は集約や移動ということですが、ここからが本題で、本当の受動喫煙防止のためには、もっと根本的な対策が必要だと思います。
 次に移りたいと思います。令和5年10月27日付、総務省自治税務局長から各都道府県知事宛ての分煙施設のより一層の整備推進と分煙施設整備に係る参考事例集の送付についてには、各市町村が分煙施設整備を進める上で参考となるよう、様々な取組の事例と一定の技術的留意事項に沿って整備された分煙施設に対する特別交付税措置等が紹介されています。対象経費は、施設整備に要する経費のうち、一般財源の2分の1で、施設ごとに上限は500万円です。
 小項目3 特別交付税措置等を活用し、多くの人が利用する公共の場所に分煙施設を整備すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。


市長

 望まない受動喫煙への対策を講じるためには、屋外分煙施設を設置することが有効であると捉えております。
 また、一定の要件を満たした屋外分煙施設を設置する場合は、特別交付税措置が講じられているところであり、まずは、既に灰皿が設置されており、特に人通りが多い名取駅に、屋外分煙施設を設置することに向けて取り組んでまいりたいと考えております。


吉田

 今、名取駅とおっしゃったのは、東西自由通路を含む駅舎ということでしょうか。それとも、周辺の市有地も含めてということでしょうか。


市長

 正確には駅周辺を含めてということで考えています。


吉田

 何か所必要なのか。1か所でいいのか、それとも2か所なのか3か所なのか。今、灰皿は2か所に置いてありますが、現在考えておられる箇所数、それから、整備のめどとなる期間についてお伺いします。


市長

 できるだけ早くとは考えています。具体的にどういう形で、どこに何か所、どういう形でというところまでは、まだ詰め切れていない状況です。


吉田

 駅は人通りが一番多くて、特に名取駅はJRとして県内で3番目の乗降客数でかなり多いのですが、それ以外にもあります。行く行くは、駅で終わらせることなく、人が集まるほかのところにも整備を少しずつ進めていかなければいけなくなる。その際、ある程度中長期的な分煙施設の設置計画が必要になってくると思います。というのも、結構多くの市民がそれを求めています。例えば、公民館に設置するとなれば全11公民館に設置しなければいけない。ただ一気に設置はできないので、中長期的な計画が必要になってくると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。


市長

 まずは、名取駅周辺含めて設置に向けて動いて、その効果や評判も含めて検証していきたいと思います。その上で、具体的には恐らく実施計画の中に、必要に応じてそこに盛り込んでいくことになろうかと思います。


吉田

 実施計画の中でということで、分かりました。
 もう一つ確認したいことがありました。今、市庁舎の分煙についても御答弁ありましたが、本市庁舎の敷地内に健康増進法に規定されている特定屋外喫煙場所はありますか。


財政課長

 庁舎北側の外と庁舎屋上の2か所に設けています。


吉田

 特定屋外喫煙場所は、厚生労働省である程度の要件が決まっていると思いますが、今おっしゃった2か所はその要件を満たしているということですか。


財政課長

 特定屋外喫煙場所の要件は、健康増進法の施行規則第15条に規定されています。要件としては、喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識を掲示、それから、利用する方が通常立ち入らない場所への設置ということで、この2つを網羅した形で設置しています。


吉田

 特定屋外喫煙場所は、どこにあるのか一般の市民の人は分からないのではないでしょうか。例えば、時々、庁舎前の広場でたばこを吸っている方が見受けられます。実際にそこからは灰皿は撤去されていますので、御自分でポケット灰皿を持ってきています。たまに捨てたりする姿も見たりします。ただ、市庁舎は第一種施設なので、健康増進法上、喫煙は禁止されているはずです。ですから、一般の市民の方も分かりやすいように分煙施設を造らなければいけないのではないかということです。
 特定屋外喫煙場所は、先ほどの特別交付税措置はないと思うのですが、全額一般財源であったとしても、名取市役所の庁舎の敷地内に市民の方も誰もが気持ちよく使える分煙施設が必要ではないかと思います。市長の御見解はいかがでしょうか。


市長

 国全体が分煙の方向に動いていることは承知しています。本市としては、まず名取駅に先行的に設けていきたいと考えていますので、その後、場所を含めて、年次計画が必要かどうかも考えていきたいと思っています。


吉田

 では、次に移ります。受動喫煙防止に努める民間企業への支援についてです。
 先ほど紹介しましたその送付文には、分煙施設を整備する民間事業者への国の助成制度も紹介されています。対象となるのは、喫煙以外の使用を不可とする喫煙専用室の設置及び改修と、喫煙以外の使用も可能な指定たばこ専用喫煙室の設置及び改修です。助成対象経費のうち、主たる産業分類が飲食店の事業者には3分の2、それ以外には2分の1が助成され、上限額はいずれも100万円ということです。この国の助成に本市独自で例えば10分の1でも助成することで、民間でも一層受動喫煙の防止に向けた環境の整備が進むと期待されると思います。
 そこで、小項目4 中小企業を対象とする国の受動喫煙防止対策助成金に上乗せする形で、本市としても一部助成すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。


市長

 受動喫煙防止対策助成金は望まない受動喫煙を防ぐための取組の一つであり、一定の要件を満たした中小企業や個人事業主が喫煙専用室等を設置する際に、国から助成を受けることができるものであります。
 本市でも、国からの助成金に上乗せする形で助成を行うべきとの御質問でございますが、現時点において、県では上乗せ助成を実施する予定はないと伺っており、そのような中、名取市が単独で助成金を措置するということは、支援の形として課題があるものと捉えています。
 また、全国的にも助成金を上乗せしている市町村は、まだごく一部といった状況であり、本市といたしましては、国・県や他市町村の動向を引き続き注視しながら、支援の可能性について検討してまいります。


吉田

 そもそもこういう助成金があることを、一体どのぐらい市内の事業者が分かっているのかというところからまず疑問ですが、これは厚生労働省によるものですから、申請窓口は所在地の労働基準部健康安全課または健康課とされているそうです。本市内に事業所を置く事業者がこうした助成を受けた実績等については、何か把握されているでしょうか。


保健センター所長

 事業者が設置した二種の屋内の専用施設等については捉えていませんが、既存の特定飲食提供施設の喫煙可能室については県の保健所に届出がなされるようになっており、その届出がされた施設は27施設と伺っています。


吉田

 本市内に事業所を置く事業者27施設ということかと思います。この数が多いのか少ないのかはよく分かりませんが、これは県あるいは国から、市として周知を行うようにという働きかけはあるのでしょうか。


保健センター所長

 助成金についての周知に関しては特に通知等はありませんが、国から受動喫煙をなくそうというポスター等の配布はあります。


吉田

 本市独自の上乗せについて今のところは検討しないということでしたが、ほかの自治体が行っていない、まだ事例が少ないことをもって行わないということではないと思います。県がどうのこうというのも、いつも県の後追いをするというよりは、本市が先に行ったことについて、県がそれいいねといって県としてもっと助成金を出しましょうとなってくるほうが、本市の存在意義が出てくると私は思います。10分の1という額も例えで言いましたが、どのぐらいが適切なのか、いろいろな考え方があると思います。ただ、今の本市の取組の中で分煙対策を、もっと民間に幅広く理解を得ていくようにする。まさにそれがたばこを吸う方も吸わない方もお互い住みよいまちにつながってくると思います。しかも、市町村たばこ税という財源からもお金を受け取っているわけなので、その継続的、安定的な徴収も考えていく上では、やはり必要な対策ではないかと思います。
 もう1回聞きます。こうした国の施策にもっと積極的に協力していける形があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。


市長

 健康増進法の中身がある程度変わって、受動喫煙防止、分煙といったような全体の方向性があるかと思います。
 ただ、この助成金そのものについては、国・県・市がしっかり連携した形で取り組んでいくのが望ましいと思いますので、その辺については動向を注視するとともに、県に対しても必要に応じて働きかけをしていきたいと考えています。
 また、民間事業者の皆さんとの連携も欠かせない内容になると思いますので、国の助成金とはいえ、できる限りの周知に努めていきたいと考えています。


吉田

 市長から担当ということで、財政課長と保健センター所長からそれぞれ答弁いただきました。先ほど紹介した国からの送付文の中では、受動喫煙防止を一括して担当する課があれば、そこに都道府県から通知を流してほしいと書かれていましたが、本市としては、受動喫煙に関して統括する部署はどこでしょうか。


市長

 健康増進法に基づいて行われることになりますので、保健センターが主管という形になるかと思います。各課連携をしながら行っていきたいと思います。


吉田

 保健センターが一番専門的な知識を豊富に持っていると思いますので、やはりそれがあるべき姿だと思います。これからも保健センターが中心になって進めていただきたいと思います。
 分煙施設が十分に整備されることで、歩きたばこの禁止や吸い殻のポイ捨て禁止など、受動喫煙防止だけでなく環境美化等についても次なる対策を進めるための環境整備にもなります。愛煙家も嫌煙家も誰もが住みよさを実感できる積極的な取組を期待しまして、一般質問を終わります。


本会議

(議案第84号 名取市心身障害児通園施設条例を廃止する条例)

吉田

 若竹園という施設はどういう施設だったのか、私はあまり関わりがなかったので伺いたいと思います。また、今回こうして廃止が決定しましたが、昭和52年にこの条例ができて、それから心身障がい児の通園施設ということで大変長い期間重要な施設だったと思っていますが、これまでこの施設を利用された方の総人数は捉えていらっしゃいますか。


社会福祉課長

 総人数は捉えていないのですが、現在16人の登録者がいまして、毎年このぐらいの登録で何十年と続いてきた状況です。


吉田

 市の施設廃止ということですが、本市がこの記録を将来に向けて残していくとか、どこかの何かの部分でそういう考えはないのでしょうか。


社会福祉課長

 令和6年3月に卒園式と、閉園の簡単なセレモニーを検討しています。そこで、記念誌まではいかないのですが、過去の園長先生の御挨拶とか、これまでの卒業生が寄せた文章とかを掲載した簡単なものを作って、皆さんに配ろうと考えています。


(議案第95号 工事請負契約の締結)

吉田

 愛島台地区造成工事(その4)ということですから、これまでその1からその3まで可決をして実際に進められてきているわけで、これまでの経過からの流れということだと思います。実際こうしていろいろな設計や造成などの部分に様々な業者が入ってくることになると思いますが、再委託というか、下請、孫請はどのあたりまで認められているのですか。


都市開発課長

 元請は渋谷商事株式会社になりますが、実際の工事については下請となります。下請については、承認願を提出いただいてそれを承認するという形で把握しています。


吉田

 その4ということで新たな下請業者もあると思いますが、その3までで実績のあるところに引き続き下請するというケースも多いと思います。その3までの部分で承認された業者について、今、もし資料をお持ちでしたら御紹介いただきたいと思います。


都市開発課長

 これまで造成工事を実施していますが、下請業者については同一の業者ということで、新たな業者は入っておりません。下請については株式会社ワタケンが入っています。


吉田

 このような造成工事で、今回土地をならすことによってどのぐらい土砂が発生するか、その見込みはどうなっているのでしょうか。


都市開発課長

 今回の土砂については、全体の掘削や切土で大体5万9,000立方メートルの土砂が出るということで、この中で、盛ったりする部分と、当然残土は出るのですが、現在残土の数字までは押さえておりません。ただ、残土については、今回の全体の用地の中で一部仮置きという形で置いて、その後の工事で使用する部分もあります。


吉田

 これからも工事が続きますので、余った分を今後必要になるところのためにためておくというのは納得できることです。ただ、そうではない、今の5万9,000立方メートルという中で要らなくなる部分、今回の工事の中で処分する部分があるように、今の答弁からは受け止めました。その3までの工事でも恐らくあったと思いますが、そういったものの処分先は、これまでと同一のところなのか、違うところなのか、もし同じであれば場所もお伺いしたいと思います。


都市開発課長

 これまでについては残土は場内で処理していました。今回については若干の残土が出るということですが、設計の中でどこという指定はありませんので、それは契約後、事業計画等で業者から処分先などが出てくるということで、現時点では明確な場所については押さえていないところです。


(議案第97号 令和5年度名取市一般会計補正予算)

吉田

 16、17ページ、2款1項6目企画費12節委託料、今と同じ情報発信プラットフォーム基盤構築・運用事業と地域通貨システム基盤構築・運用事業です。委託料としては当初からありますが、その委託先の選定ということでいろいろ経緯があったとは伺っていました。現状、その選定についての進捗はどうなっているのかお伺いいたします。


DX推進室長

 情報発信プラットフォーム基盤構築・運用事業については、プロポーザルによって1者と契約を締結して、今、構築に入っている状態です。開始については当初より少し遅れていまして、令和6年2月をめどとしています。
 地域通貨システム基盤構築・運用事業については、現在プロポーザルで公募している状態で、本日が入札資料の締切りになっています。令和5年12月中にプロポーザルの提案をいただいて、同じく12月中には契約締結を進めて、運用については、令和5年度は構築期間が短くなってしまいましたので、令和6年4月から進めたいと考えています。


吉田

 両方プロポーザルということで今お聞きしましたが、最初はいろいろな構想があって、委託先についても内々でいろいろと調査されてきて、難しい壁というかハードルがあったりということもあり、今に至っていると思います。最初の構想の部分から変更になっている点がもし今の時点であれば、お伺いしたいと思います。


DX推進室長

 当初の予定から、基本的に変更はありません。


吉田

 18、19ページ、2款3項1目戸籍住民登録費12節委託料の戸籍総合システム振り仮名対応改修業務委託料ですが、法制化によるということでした。こちらはあくまでもシステムの改修だけで、今後の打ち込みなどは含まれていないのかなと思いますが、改修が終わった後の打ち込み等の今後のスケジュールもお伺いしておきたいと思います。


市民課長

 現在、詳細なスケジュールはまだ示されていないところですが、この全体の振り仮名に対応する流れについては、令和7年度を目途にしている行政事務の標準化に合うような形で進めていくということは伺っていますので、全体的に見ると令和7年度を目途にしているということで今のところは捉えています。


吉田

 最近、特に若い方は読み方が複雑でなかなか読めない名前の方が多い状況で、私も学校の教員をしていたときに結構苦労したことがあります。私自身の名前はほかに読みようがなくて簡単なので、自分自身はそんなことはありませんが、これまで振り仮名についてのデータの蓄積がどこかにあった上でのこれからの登録なのか。そういうものがない場合の難しい読み方などの判別について、国のほうで恐らく何か統一的な指針みたいなものがあるとは思いますが、例えば片仮名か平仮名かとか、もし片仮名の場合横棒を使うような振り仮名も認めているのかとか、詳細について現時点で把握している中身をお伺いしたいと思います。


市民課長

 住民基本台帳標準仕様書によれば、これまで戸籍には振り仮名は振っていませんでしたが、例えば出生届には振り仮名を書く欄がありますし、あるいは市の業務等で読み仮名をある程度使って活用するという面がありますので、届出のあった振り仮名のデータ自体は自治体の住民記録システムで持っています。大まかなロードマップによれば、今後、国民一人一人に振り仮名を確認する作業が出てくると伺っていますので、そのときにそういったデータを使って、イメージとしては漢字の名前があって、今持っている振り仮名が振ってあって、これで間違いないですかという確認の仕方をすると聞いています。今後、その辺をどのように確認するか、詳細が分かりましたら、それに対応して進めていきたいと考えています。


吉田

 28、29ページ、3款3項2目保育所費の18節負担金補助及び交付金の私立認可保育所施設整備費補助金は当初にもあるのですが、今回新規で新しいものの分の補助金なのか、それとも当初の部分で出てきたものの増額なのか、確認させてください。


こども支援課長

 こちらは、当初にも計上していました社会福祉法人手倉田くじら保育園の改築事業に関する補助金になっています。今回、新しい内容というよりは国の交付の補助基準額が変わりまして、それに伴い、歳入のほうも増額しているのですが、国庫補助金とこちらの補助金の額を増額という形でお願いしているものです。


吉田

 やはり材料費などが高騰している中で少しでも補助金が多いほうが助かると思いますが、そうするとこの補助金は今の工事どこにでも使えるということでよろしいですか。


こども支援課長

 議員お見込みのとおり、今の工事に使える補助金になっています。


吉田

 30、31ページ、3款3項5目児童措置費19節扶助費の児童発達支援給付費と放課後等デイサービス給付費について、提案理由の説明の中で利用される方の人数が増えているということでしたが、人数が増えている傾向というか、現時点で利用されている最新の人数、ここ数年間の増減、そういった数字についてまず御紹介いただきたいと思います。


社会福祉課長

 利用人数は減ったり増えたりということで捉え切れない部分もありますが、現在ですと、児童発達支援は130名ぐらい、放課後等デイサービスは200名弱いるかと思います。ここ数年を見ていますと急激に増えています。療育手帳の所持者なども5年で26%増加ということもあり、今後も増えていくものと捉えています。


吉田

 これは扶助費で給付ということですと、施設ではなく、利用者の方への給付ということでしょうか。施設への給付なのですか。分かりました。
 それで、今回のこの額はどのぐらいまで許容というか、受け入れられる範囲として今回の金額で何人ぐらいまで賄えると考えておられるでしょうか。


社会福祉課長

 登録ではなく利用人数のベースでいきますと、児童発達支援が、最大の人数を116人と見込んでいます。放課後等デイサービスは173人ぐらいまで伸びるのではないかと見込んでいます。令和4年度と比較しますと、児童発達支援は令和4年度は100人強でしたが、令和5年度は116人まで見込み、放課後等デイサービスは令和4年度は150人前後だったものを令和5年度は173人を見込んでいます。


吉田

 36、37ページ、4款1項3目一般予防費18節負担金補助及び交付金です。この新型コロナワクチン予防接種健康被害給付金ですが、先日の議案の提案理由の説明ですと死亡一時金ということで、令和3年に接種された方と記憶しています。令和3年度の申請、決定等はもう終わっているかと思うので、令和3年度は実際に申請が何件あってこの1件が認められたのか、お伺いします。


保健センター所長

 令和3年度の健康被害の申請件数は6件ありました。そのうち、認定された方が4件、不認定の方が2件で、今回の方は認定された4件の中の1件となります。


吉田

 その4件の内訳をお伺いしておきたいと思います。


保健センター所長

 4件の内訳ですが、2件が医療費についての認定、1件が葬祭料のみの認定になっています。残りの1件が今回の医療費、医療手当、死亡一時金、葬祭料が含まれるものとなっています。


吉田

 56、57ページ、10款5項5目文化財保護費の12節委託料、史跡飯野坂古墳群樹木管理委託料370万円の内容についてまずお伺いいたします。


文化・スポーツ課長

 こちらの内容については、令和5年10月の初めに強風の日がありまして、その後に確認された史跡飯野坂古墳群の宮山古墳地内での倒木と、あと危険木の処分と伐採の費用、それから、地元から、同じ古墳の西側道路に少し張り出している枝などがあるということだったので、そちらの強剪定などの費用として計上させていただいているものです。


吉田

 やはり木は育ちますので、大きくなったら切ってほしいという要望は地元からしょっちゅう出ていると思いますが、これはたまたま今回強風があったからそれと一緒に行うということですか。それとも、もともとそういう予定があって、今回時期が重なったということなのでしょうか。


文化・スポーツ課長

 こちらは、倒木があったからということではありません。ちょうど同時期に要望があったということでの対応となります。


吉田

 58、59ページ、10款5項8目文化会館管理運営費12節委託料です。10款6項2目体育振興費12節委託料でも同じようなものがあるのですが、この指定管理料が今回増額になっている理由についてお伺いいたします。


文化・スポーツ課長

 文化会館指定管理料と体育施設等指定管理料、両方ともですが、物価高騰などの影響により、文化会館については施設の電気料金、暖房や冷房などに使っている重油の料金がかなりの増となる見込みです。令和4年度比で、電気料金については28.3%、重油料金については58.1%の増となる見込みとなっています。
 また、体育施設等については、同じように光熱水費の高騰、それから猛暑による芝の管理のための散水の分の水道料金も上がっているため、光熱水費全体で、十三塚有料公園施設については25.2%の増、市民体育館では16.6%の増となる見込みとなっています。
 物価高騰リスクについては、通常であれば指定管理者が持つようになっていますが、昨今の物価高については予想がつかないようなもので、通常の状況とは違うということで、指定管理者に大きな負担をかけるということもありますので、この額を要求させていただく内容となっています。


吉田

 やはり人件費についても、職員の給与を今回も引き上げましたが、こういった指定管理をしている施設についてもやはりそういう方向にこれから向かっていくのだと思います。そういった部分についても、この金額は充てられるものなのでしょうか。


文化・スポーツ課長

 今回の補正で、人件費の増については算入しておりません。


(議案第100号 令和5年度名取市宅地造成事業特別会計補正予算)

吉田

 89、90ページ、歳出の1款1項1目愛島台地区造成事業費12節委託料の造成用地樹木伐採等委託料です。産業用地という説明でしたが、樹木を伐採される場所と面積、それから、切った後どのぐらいの量の木材が出るのか、お伺いします。


都市開発課長

 場所については、愛島産業用地の、先ほどの議案第95号資料2の図面上の左側の約9ヘクタールの部分です。樹木の伐採のボリュームまでは正確なところは把握していませんが、この業務の中で草刈りと樹木の伐採、抜根、根っこを取って、その後の造成工事の前段の作業を行うという内容です。


吉田

 今回、委託料ということで金額が決まっているわけですが、この金額を算定した根拠、そして、今の御説明の中には処分のための費用が入っていないようですが、その出てきた木や草等の処分についてはどうなっているのかお伺いいたします。


都市開発課長

 まず、樹木のほうですが、約9ヘクタール全体でおおむね360トン、草刈りについては同じく約9ヘクタール全体の中で117トンということで、作業工賃及び搬出のところまで単価上入っています。処分も全て含んだ単価で入れています。
 なお、こちらについては国の基準で算定しまして、最終的には処分時の数量で精算するという形で見込んでいます。


吉田

 単価と言いましたが、単価というのは1ヘクタール当たりで出す単価なのか、それとも本数、トン数の単価での計算なのか、今の説明では捉え切れなかったところです。その処分後の精算というのは、もし金額がそれより少なければ返金があるということですか。


都市開発課長

 数量での精算になりますので、今、例えば樹木であれば360トンで見込んでいますが、それが350トンとなれば、減額という形での変更になると見込んでいます。


(議案第108号 和解について)

吉田

 今の説明で大体流れは分かったのですが、一応確認です。裁判の訴えを起こされた上での和解であるのか、そうではなく当事者間での任意というような形での和解なのか、まず確認させてください。


教育長

 ただいまお尋ねの件に具体的にお答えする前に、一言お話をさせていただきたいと思います。
 この件については、平成28年第3回定例会で、相互台公民館の公民館だよりで同じようにイラストを無断使用し損害弁償を請求されるという案件について、議会で御審議をいただきました。そのときにも再発防止に努める旨お話をさせていただいたわけですが、にもかかわらず今回同じような事案が生じたことについて、重く受け止め、深く反省をしております。大変申し訳ありませんでした。
 7年が経過して、私、教育委員会、教育委員会所管の学校を含めた機関の著作権に関する意識が低下し、認識が甘くなっていたものと感じております。前回も今後の対応で、繰り返さないようにということを申し上げました。今回、発覚後すぐに各機関には文書等で注意喚起はしておりますが、今後、より具体的に手順を示した資料を作成して注意をしていきたいと考えております。特に学校においては、あと1週間で冬休みに入り、多くのお便りを学校で作成しますので、来週月曜日に臨時に校長会を開き、注意をする予定でおります。
 お尋ねの件については、担当より答弁をいたします。


学校教育課長

 和解については、個人の方の代理人と私どもでの和解となります。今回、裁判を起こされたわけではなく、それ以前に相手方と和解するということです。


吉田

 まず、教育長の先ほどの言葉の中で私が少し不思議だなと思ったのは、7年たっていると。平成28年のときに私も質疑をして、大変記憶にも残っていますし、改めて会議録を確認しましたが、普通であれば7年かけてそういった著作物の扱いなどに関する考え方はより深まってきていなければいけないはずなのに、逆にそれが甘くなっていたというのはいかがなものかと率直に感じています。
 それから、今の和解のことについてですが、これも大変違和感があります。と申しますのは、これを比べるのが適切かどうかは別としても、さきに10万円の損害賠償を求める国家賠償請求があり、それに対しては、一審で負けて控訴までしました。しかも賠償請求額が一審では3万円でしたが、それは払わないで控訴すると。わざわざ東京まで行かなければいけないような戦い方をするのに、この件に対しては市として、分かりました、どうぞと言って、この大きな金額をすぐに払う。どうしてこういうときに、いや、この件は誤って行ったとはいえ、その職員が誤った中にもこちらで主張できる部分があるのではないかと。丸々その金額が本当に正当な金額かどうかということを、さきに紹介した国家賠償請求と同じように扱うのなら、きちんとそれを主張するべきではないかと思います。さきの国家賠償請求に対しては徹底的に最後まで戦って、今回の和解についてはあっさり認めるという差がどうして出てくるのか、非常に不思議です。今回のこの件でなぜすぐに認めたのか、そのことについてお伺いいたします。


学校教育課長

 この案件については、相手方から届いた請求書の内容について、また、著作権を主張する個人の方のウェブサイトの利用規約について精査し、顧問弁護士と十分に協議を重ねてきました。応じるべきか、あるいは応じないで争うべきか、そういったことも検討しましたが、今回、相手方が示している利用規約や請求書の内容、金額を精査した結果、やはりこちらに落ち度があり、賠償請求を支払うべきだろうという結論に至りました。


吉田

 平成28年度の案件の際には公民館だよりだったということで、各公民館に有料のイラスト集を備えて、今後は公民館ではその有料のイラスト集を使っていくという答弁がありました。現在、それは引き続き使われていて、公民館としては無料の素材は使わないことになっているのでしょうか。


生涯学習課長

 平成28年度に公民館だよりで同様の案件があったわけですが、この件を受けて、当時、全公民館においてイラスト集を購入し、原則購入したイラスト集以外のものは使用しないこととして指導し、再発防止に取り組んできた経過があります。平成28年12月に、総務課から、見やすいホームページのために積極的に画像を使用すること、その際フリーイラストサイトを利用することについて周知があったということで、そこから、このイラスト集以外の部分についても注意をしながら使っていくという対応に変わっています。


吉田

 今のお話ですと、平成28年度にトラブルが起きて、もうその年度のうちに、議会で答弁したことが覆っていたということになります。平成28年度とおっしゃいましたよね、フリーのものを使っていいというのは。そういう意識がこういうことを繰り返させているのではないでしょうか。行政の機関がある程度そのような有料のものを使って、確実に、そしてそれに携わってきたイラストレーターの方とかそういう人たちがしっかり対価を得るという意味でも、行政は責任を持って、その辺に転がっている無料の、しかもわなが仕掛けてあるような素材ではなくて、きちんとこれは使えるという権利をしっかり買い取ってそれを使っていくということを、今回の件で改めて徹底してはどうでしょうか。


教育長

 ただいまの議員の御指摘、そのとおりだと思います。先ほど、今後具体的な資料を作成して各機関に周知・指導していくというお話をしましたが、やはりインターネット上にたくさんあるフリーのイラストと言われるものの中には、版元が不明なものとか作者が不明なもの、もちろん有料のもの、それからかなりの信頼度で無料で使用できるもの、様々混在しています。それらをきちんと見極めることも必要ですし、一番安全なのは有料のイラスト集を購入し、それを使うことだと思います。その辺も含めて、再度、各学校、公民館も含めた機関に周知を徹底していきたいと考えています。


吉田

 使用料等については相手方が示されていたということで、その金額に基づいて今回この和解額になっていると先ほどお伺いしましたが、それは相手方のホームページなどで広く公開されている内容ということでしょうか。


学校教育課長

 ウェブサイト上で公開されている内容となっています。


吉田

 本来、このイラストを最初に使用した時点でそれを見て有料だということに気づけば、使わなかったということになると思います。ですから起点はそこにあるわけで、その期日において今示されている金額と同様の金額であったかどうか、そういうことについての確認はしっかりできているのですか。


学校教育課長

 ウェブ上に示されている金額が当時と合っているかという御質疑と捉えてお答えします。そこまでは確認していないところですが、もう一度、そのウェブサイトについて、いつからその規約が示されているかも併せて確認を進めていきたいと思います。


吉田

 となると、ウェブサイトは相手方のほうで幾らでも更新することができますので、ケースとして、このイラストを使用した段階では1,000円だったが今回は1回5万5,000円とか、そのように金額が変わっている可能性も排除できないということでよろしいですか。


学校教育課長

 この金額については、相手方代理人と確認をし、そして、こちらでも顧問弁護士とその金額について改めて確認し、この額でということで今確認しているところです。ホームページを今確認したところ、いつからこの規約が示されているかということは明らかになっていませんが、現時点でのこの金額で双方和解ということで進めています。